2023-11-03 07:00 am by 須坂新聞
須坂市北相之島町区に、住民が力を合わせて整備を進めてきた「(仮称)くみん広場」が完成した。旧公会堂跡地などを利用し、子どもからお年寄りまで幅広い世代が憩う広場にしようと汗を流した。地域では少子高齢化や2019年10月の台風災害後の人口減少が課題。活気を取り戻すために広場を活用し、住民のつながりや団結を深めたい考えだ。
区によると、旧公会堂は老朽化し建て替える計画だったが、台風で被災。市は別の場所に区の公会堂を兼ねた「市豊洲防災コミュニティセンター」を建設した。旧公会堂は取り壊され、空き地となっていた。
区では、区三役と相談役(元区長)の6人で委員会をつくり、市とも相談し、跡地の活用を協議。「学校のグラウンドのように遊べる場所が欲しい」といった地元の子どもたちの意見を踏まえ、住民の手で広場を整備することにした。
5月以降、具体的に準備を進め、9月から整備に着手した。作業は安全面を考慮し、最小限の人数で担った。区役員ら委員をはじめ有志、地元業者の12人が、毎週休日の時間を使って進めてきた。
これまでに、面積約540平方メートルの広場にネットを張るために高さ4?のポールを22本建てたり、雑草が生えにくい土を運び入れて整地したりした。ポールを建てるための基礎(土台)に使った木枠は手作り。穴を掘って埋め、コンクリートを流し込んで固めた。
10月29日は、仕上げとして広場を囲うネットを設置した。午前8時から午後2時ごろまで作業に励んだ。脚立や高所作業車を使って、協力しながらポールやワイヤにネットを取り付けた。
有志の一人で米国出身のルインスキー・アランさん(40)は「地域を良くしたい」と整備に協力した。5年前に移り住み、家族と一緒に暮らしている。「(自身の子は)男の子が3人いる。思いっきり遊んでほしい」とうれしそうだった。
黒岩三智(かずとも)区長(76)は「町の業者の皆さんにはボランティアで協力してもらい感謝している。(広場は)区民にも喜んでもらっているのでうれしい」と話す。
同区は、台風災害前(19年4月1日)には400世帯・927人が生活していたが、現在(10月1日)は316世帯・670人に減少している。黒岩区長は「水が出て(水害に遭って)引っ越してしまった人も多いが、新しく入って来た人もいる。広場が区民のまとまりを生むきっかけになったらいい」と期待している。
事業費は約180万円。財源には、旧公会堂の建て替え資金として考えていた積立金の一部を充てた。
2023-11-03 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント
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