2023-04-29 07:00 am by 須坂新聞
須坂市の国指定名勝「米子瀑布群」へのアクセス道路で、2019年10月の台風で被災した林道米子不動線(全長14.3km)が5月23日午前9時に開通する。台風以降、復旧のため全面通行止めとなっていた。約3年半ぶりに市が誇る観光名所への立ち入りが可能となり、今後のにぎわいが期待される。
米子瀑布群は、米子川上流、上信越高原国立公園内の標高約1,600mに位置。高さ約100mの岸壁が約1kmにわたって続き、日本の滝百選に選ばれている「米子大瀑布」の不動滝(落差89m)と権現滝(同82m)をはじめ、常時十数条の滝が流れ落ちている。
古くから白山信仰、不動尊信仰、念仏信仰など山岳信仰の聖地。近世から現代まで硫黄などの地下資源が採掘され、産業・経済面でも貢献してきた。
例年は5月上旬に開山し、新緑から紅葉のシーズンまで豊かな自然を満喫できる。特に混み合う紅葉期の土日祝日はマイカーの乗り入れを規制し、シャトルバスを運行。冬期は11月中旬から閉鎖(通行止め)している。
市道路河川課によると、林道は台風の影響で2カ所が被災した。崩落(約60m区間)や地滑り(約95m区間)が発生し、20〜22年度にかけて復旧工事を行い、先ごろ完了した。「被災した規模が大きく復旧には時間がかかった」とする。
市商業観光課によると、同じく被害を受けた瀑布群内の遊歩道については昨年度、橋の修理や架け替えなどを済ませた。ただ、まだ歩きづらい箇所があるため、今後も整備を進めていく予定という。
また、老朽化していた駐車場のトイレを「総合的休憩室」として整備。トイレの他、ガイダンス室を新たに設けた。
市商業観光課は、市の観光振興を図るために米子瀑布群は欠かせないとし、「米子大瀑布を訪れた人たちにはぜひ市内も周遊してもらいたい」と期待している。
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