小学生が「堀直虎公の生涯」熱演

2022-01-29 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市内外の小学生16人が須坂藩13代藩主堀直虎公(1836〜1868)の生涯を演じる創作劇「キッズシアタープロジェクト直虎発表会〜ストレートタイガーなおとら」前編が16日、メセナ小ホールで上演された。子どもたちが歌やダンスを交えて生き生きと表現し、約150人の観客に感動が広がった。
 プロジェクトは、子どもたちに表現の楽しさを体験してもらうと共に郷土の歴史を学んでほしいと企画。地域の元気づくりを目指す「ドリーム・コンシェル」(須坂市南横町、杉本文江理事長)が主催した。
 脚本、演出、演技指導はNPO法人劇空間夢幻工房(長野市)理事長の青木由里さんが担当した。上級生が下級生に教える“ごっこ遊び”の形をとりながら、江戸の風俗や直虎公が指針とした五常の徳「仁義礼智信」などを観客に伝えた。
 公演では浦賀に黒船が来航して国内は攘夷、開国に分かれて騒然となるシーンがあり、直虎公も国の行く末を案じた。その頃藩内では水防をめぐる騒動が起きていた。千曲川氾濫の被害に苦しむ農民が家老に願い出ても賄賂を要求される始末。追いつめられた農民らは直虎公へ直訴。直虎公は重臣らを処罰する藩政改革を断行。
 参加した小山小5年の青木紬(つむぎ)さんは「面白そうだったので、悪役の野口源兵衛を自分から名乗り出た。歌も踊りもセリフも他と違って難しかったが、本番では源兵衛の魂が乗り移ったように演じられた。皆でいい演技ができて良かった」と振り返った。
 栗ガ丘小6年の内山絢釉(あゆ)さんは「堀直虎に近い人をやりたくて、父直格(なおただ)を演じた。意志が強く決断力ある人だと思った。コロナで制約もあったが皆で楽しくできた。中学生になっても関わりたい」と声を弾ませていた。
 ドリーム・コンシェルの杉本理事長は「コロナ感染者の急増に開催を迷ったが、この日を目標に努力してきた子どもたちの舞台を何としても実現させたかった。出演者たちは上演できる喜びが表情や声にあふれ、皆様のおかげで観客と一体の素晴らしい発表会となった。これからも地元の皆様にもっと知っていただけるよう努力していきたい」と意気込みを語った。
 同工房の青木理事長は「子どもたちはダンスや演技を学びながら、いつの間にか大人が思う以上に直虎公に思いを寄せ、江戸末期の情勢を理解した。楽しく表現力、コミュニケーション力を培い、祖先の営みや生き方を知り、成功体験も体感できた。コロナ禍の中、保護者は前向きにサポート、観客は惜しみない拍手を送ってくれて感謝と感動の1日だった」と話した。

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