常盤中3年がキャリア学習〜郷土愛や地域貢献、勉強の大切さ学ぶ

2019-06-01 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 常盤中学校の3年生(107人)は先月23日、キャリア学習の一環で、市のまちづくり出前講座を活用した学習会と、常盤中子ども応援団ボランティア最上隆夫さん(71、坂田町)の講演を聞いた。「須坂に学ぶ 須坂に生きる」をテーマに、須坂を知って郷土愛や地域貢献について認識を深め、生徒自身が今後、自分にできる事を探っていく。
 出前講座では市生涯学習推進センター・生涯学習指導員の佐藤広夫さんが「生涯学習ってなぁに」と題して話した。須坂には偉大な歴史があり、文化の宝庫でもあることに触れ、「生涯にわたり、自分で学びたいと思った時に、好きなテーマを見つけ、自分自身を高めていくのが生涯学習。そこから人と人との絆が生まれ、地域づくり、さらには住みよいまちづくりにつながる」と話した。
 また、市と市生涯学習推進委員会が昨年度企画した「まちづくり実践講座」を例に挙げた。講座には須坂小児童らが参加。須坂のまちを魅力的に明るくしようと、つりランタンを手作りし、店舗などの協力を得て設置した取り組みを紹介した。
 また、同校で数学や英語の学習支援を行う最上さんは、2014年に最年少でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんの言葉を元に、勉強することの大切さを語った。
 最上さんは常盤中の卒業生。大学卒業後、諏訪精工舎(現・セイコーエプソン)に入社。プラスチックレンズの開発に携わり、平成5年度関東地方発明表彰(県知事賞)を受賞した。
 当時、時計やメガネレンズの98%がガラス素材だった。実験を重ね、さまざまな問題に直面しながらも、4〜5年がかりで開発に成功したのが、軽くて薄く傷がつきにくいなどの特徴を持つプラスチックレンズ。
 最上さんは「実験はただやみくもに続けてもだめ。理論的な背景をもって、正しい知識がなければできない。ようやく完成し、量産したが、実験の時には分からなかった問題が発生した苦い経験もある。失敗は悔しかったが、物事を楽天的に考えようと思った。発明は実験室だけでは生まれない」と語った。
 56歳からの4年間は、特許販売のため世界各国へ出掛けた。それまでも英語を読んだり書いたりすることにそれほど不便はなかったが、話すことは少々苦手―と通信教育などで英会話を勉強し、実践しながらマスターしたという。そのため後半は、マラウイ共和国を旅行した際のエピソードを、数枚の写真を見ながら全て英語で説明した。
 藤沢帆夏さんは「須坂は製糸業が盛んだったのは知っていたので、(最初の講演で)具体的な話をいろいろ聞き一層、まちづくりに関心が高まった」。また山岸希琉(きりゅう)君は「もっと勉強し、いろいろ経験して、自分の進路に生かしていけたらと思う」と感想を話した。

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