2019-05-11 07:00 am by 須坂新聞
須坂東高卒業生で画家の新保智子さん(78、神奈川県)は4月23日、昨年度創立100周年を迎えた母校に、2017年の第88回第一美術展で最高賞の文部科学大臣賞を受賞したF120号(縦約1.3m、横約2m)の水彩画「流木」を寄贈した。20代から計20年の闘病生活を送ってきたという新保さんが、それまでとは異なる作風に挑戦した思い入れのある作品で、母校のさらなる発展や後輩たちへ目標を持って歩んでほしいなどの願いや期待を込めた。
新保さんは美術部に所属していた同校在学中に県展入選。武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)油絵科を卒業後、海外の展覧会などで数々の賞を受賞するなど活躍した。それまではボタニカルアート(植物細密画)中心だったが、「今までと違ったことに挑戦してみよう」と6年ほど前から風景画を描き出し、これまで避けてきた公募展にも出品。第1作が15年の第86回第一美術展で初入賞して以来、3年連続入賞を果たした。
「流木」は闘病生活中にドライブで訪れた渓谷がモデル。「流木が真っ白な肌の女性のようで、広場に横たわっているように見えた」と、そのとき感じた印象を話す。
全校生徒が出席し、同校で開かれた絵画寄贈感謝式で新保さんは「1日平均5時間、多いときは12時間で、完成までに7カ月かかった。他にも死に物狂いで描いた作品はあるが、一番力を入れた」などと作品を説明。闘病生活を振り返りながら、「どんな逆境のときでも自分のやりたいことを忘れないこと。いろいろなことがあると思うが、目標を持って、それを大切に温めながら歩んでほしい」と後輩たちに呼びかけた。
絵画は美術室前の廊下に展示するといい、鳥谷越浩子校長は「大先輩から引き継いだものを次の世代に引き継いでいく役目がある。大切にして、思いや精神を受け継いでいきたい」と感謝した。
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