2018-09-01 07:00 am by 須坂新聞
須坂市塩野町の長野エネルギー開発(上田正昭社長)は、米子町の県鳴岩ダムを利用した小水力発電の発電所を建設し、8月22日から試運転を開始した。9月末ごろから本稼働する予定。最大出力198kWで、年間発電量は141万kW時を見込む。一般家庭約300世帯の電力量に相当するという。市生活環境課によると小水力発電では市内最大規模という。
場所は市清掃センター西側。鳴岩ダムに取水口を設けて、右岸に沿って導水管で用水を引き込み、約34mの落差を利用して水車発電機を回す仕組み。用水は米子川に戻す。
発電所は鉄骨平屋延べ床面積約50平方メートル。最大出力約100kWの水車発電機を2基設けて、故障や保守点検などの際でも一方が発電できるようにした。水車の羽根などは、米子川の酸性水でもさびにくいステンレス素材を用いた。
建設費は約3億6,000万円。用地は県と市からの借地。発電した電力は中部電力に売電する。年間売電収入は約4,000万円を見込む。
同社は、須坂水力発電(須坂市)、北條組(長野市)、協栄電気興業(同)、ミツワヤンマー(同)、鈴与マタイ(佐久市)の県内企業5社が出資して昨年6月に設立。発電所や設備の設計、製作、建設などは、大学や専門機関の協力を得ながら、各社が専門性を生かして行った。運営・保守も担う。
28日の本紙の取材に同社は「順調に稼働している。補助金など受けず、地元企業だけで建設できたことは意義がある。小水力発電の1つのモデルとなって広がれば」と話している。
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