【井上小】シンボルの水車が復活1〜地域と一丸で取り組む

2018-07-28 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 湧水豊富な井上の郷のシンボルとして30数年前の井上小PTAが作り、崩壊寸前になっていた観察池の水車が復活し、24日、体育館に来賓約20人が出席して水車竣工式「水車復活を祝う会」が開かれた。式典や講演会の後、全校(243人)が観察池に集まり、水車が回り始める瞬間に歓声をあげた。水車は直径1.2mの総ヒノキ造り。高さ約2mの屋根も取り付け、屋根板には、活動の中心を担った6年生一人一人の名前を記した。
 現6年が4年の頃、水車復活プロジェクトと銘打って総合学習で取り組み、学年、児童会活動へと発展。歴代PTA役員らによる「井上地域 水と自然を大切にする心を育む会」(板倉敏博会長)と連携しながら地域一丸で進めてきた。
 式典で板倉会長は「先代の水車からは心臓部ともいえる軸を受け継いでいる。今後は児童の皆さんで井上小のシンボルとして維持していって」とあいさつした。
 宮坂ゆかり校長は、「2015(平成27)年に再赴任し、壊れそうな水車を見た時、とても寂しい気持ちになった。復活に際しては保護者、JA、区長会など多くの皆さんの支援をいただき、心から感謝したい。校庭に記念植樹した3本のオオヤマザクラと共に、水車は子どもたちの健やかな成長、井上地域の発展を見守ってくれると思う」と謝辞。
 児童代表の長岡逢果さん(6年)は「私たちにできることは何かを考え、活動してきた。大勢の方がたくさん協力してくださった事に感謝します」とお礼の言葉を述べた。
 初代の水車は、校舎改築工事に伴う環境整備事業の一環で、PTAが廃品回収で資金を作り、85(昭和60)年2月、観察池に完成した。動力となる水は(国道を挟んで向かいの)オリオン機械が工業用水として使用する井戸水が注がれた。同社に以前あったプールはもともと同校のプールで、学校側と同社の間にはパイプが通っており、観察池まで送水管を埋設した。
 整備事業で水車の設置を提案した当時の校長の三溝清男さん(91、須坂市屋部町)は来賓あいさつで、「当時、オリオンのあふれる豊富な水がうらやましく、太田三郎さん(当時の社長)に“井上の水”を分けてもらえないかとお願いし、快諾してもらった。児童の発想が地域へと広がり、今、再び水車が復活して感無量です」と話した。

2018-07-28 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



須坂新聞


 須坂新聞はタブロイド判(20P~24P)で毎週土曜発行(年間48回)長野県須高地域(須坂市・小布施町・高山村・長野市若穂地区)で購読をいただいております。また配達地域外でも郵送にてご購読いただけます。購読料は1100円(月額/税込)です。購読お申し込みはこちらから。