2018-05-19 07:00 am by 須坂新聞
宗教法人西福寺(須坂市福島町、阿部弘信住職)と同寺本堂修繕委員会(高橋邦雄委員長、40人)は13日、本堂改修事業でふき替える屋根瓦に願主(檀信徒=だんしんと=や有縁=うえん=者)が願い事を書く「記念瓦揮毫(きごう)会」を庫裏で開いた。同瓦はふき替える6,000枚の1%、60枚ほど。200年の務めを終えた文政瓦(文政元・1818年再建)には住職が仏語や法然上人のみ歌など一筆を添え、7種類を希望者に贈った。
同寺の創建は、鎌倉時代の建久3(1192)年とされる(寺伝「紫金光明王山遍照院千曲江西福田寺」)。開山は法然上人の弟子金光上人。平成4年に開創800年を迎えた。その後、庫裏改築や本堂基礎補強工事、薬師堂再建を行った。
本堂は間口、奥行き12mほど。今工事は木工事後、来月から約3カ月かけて瓦屋根をふき替える。壁耐震補強や天井張り替え、廊下・縁側改修など行い、来年4月の落慶法要を予定している。
仏像(観音・勢至菩薩)仏具は京都の仏具店で、絵画「飛天」は地元で修理中。
本堂の彫刻は、亀原和太四郎武平太嘉貞が請け負ったと伝わる。
阿部住職は「築200年になる本堂の老朽化が激しく、建築専門家を招き、委員会を組織して修繕となった。当時の建築界の第一人者亀原一門の建物をどのように後世に伝えていくのかの視点で生まれた」と話す。
新瓦は2.7kg。願主の中には「筆字は学校以来50年ぶり。上手にかけるか」と心配する人も。「家内安全」「健康」「平和」などそれぞれの願い事を記した。住職は「本堂で手を合わせることで共にご守護を頂ける。未来遺産として残ってくれればいい」。
旧瓦は約3.4kg。1カ月かけて住職がこけを落として洗い、「感謝」「精進」「大慈悲」「月影の至らぬ里はなけれどもながむる人の心にぞすむ」(法然上人み歌)など60枚ほど書いて乾かした。
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