2017-09-09 07:00 am by 須坂新聞
須坂市出資の第三セクター須坂温泉株式会社が、経営立て直しのため賃貸した温泉施設「古城荘」(大谷町)は1日から、オーガニックリゾート株式会社(飯綱町、寺島英一社長)の子会社・株式会社古城荘(大谷町、寺島英一社長)による経営が始まった。寺島社長(68)が5日、本紙の取材に応じ、「経営状況が厳しいことは間違いないが、黒字化できないことはない。伸びる可能性はある」とし、イベントの開催やサービス向上などにより利用者増、経営改善を図る考えを示した。
今後の方向性については「まずは現状を把握して、それから考えたい」とし、「市民温泉なので、市民に喜んでいただけるようにしたい」と話した。
オーガニックリゾートは、飯綱町から指定管理を受託して平成21年から同町の「むれ温泉天狗の館」や周辺のキャンプ場、ゴルフコースなどを運営。ほかに、子会社・株式会社あけびの湯を設立して同27年から小布施町の「小布施温泉あけびの湯」を受託経営するなどしている。両温泉施設とも同社が経営して以降は、黒字を続けているという。
両温泉施設では、地域住民の日を設けての入浴割引や落語会、歌謡ショー、カラオケ・卓球無料の日、のど自慢、住民によるステージ発表など、ほぼ毎日のようにイベントや割引を実施するなどして集客を図っている。落語会は毎回100人以上が訪れる人気という。古城荘でも同様に各種イベント・企画を行う考え。
一方で、古城荘は客室35室(定員約140人)を備え、日帰り入浴客が中心の天狗の館、あけびの湯とは多少異なる。「そうした点も考慮しながら、知恵と工夫で足を運んでいただけるようにしたい」とする。
これまでのノウハウを生かして「まずは接客の質をより高めて、お客さまに『雰囲気が変わった』と言ってもらえるようにしたい。若い人を雇用し、感性を生かして若い世代も呼び込みたい」。食事も重視しており、今後、充実を図る。
寺島社長は飯綱町(旧牟礼村)出身で、信濃町や岩手県のホテルの総支配人、第三セクター飯綱リゾート開発社長を務めるなど、宿泊・観光業に40年以上携わっている。平成21年にオーガニックリゾートを立ち上げた。
「ホテル勤務でお客さまを初めて見送った時に「『良かった、楽しかった』と言っていただき、じんとなった。お各さまに喜んでいただくことが一番。従業員と思いを共有していきたい」と話す。
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