【須坂温泉】今月中に賃貸事業者募集(1)〜「存続することが使命」

2017-06-03 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 須坂市が51%余を出資する第三セクターの須坂温泉株式会社(大谷町)は29日、運営する温泉施設「古城荘」で株主総会を開いた。土地や施設を含めて事業を民間業者に賃貸する方針を説明し、そのための定款変更を決議した。今後、6月5〜30日に事業者を公募、7月に候補事業者を選定して臨時株主総会に提案する予定。早ければ8月から賃貸したい考え。
 民間業者に賃貸する方針を決めた理由について、杉山よ志子社長は本紙の取材に「何とか売り上げを伸ばそうと頑張ってきたが、黒字化は難しかった。売り上げを伸ばすには人手や営業力が必要」と話した。
 株主総会で取締役の三木正夫市長は「全国的に温泉旅館の経営は厳しい状況にある。これからの旅館・ホテル経営は、高度な専門知識がなければなかなか難しい」。「正社員4人(ほかに短時間労働者21人)で、この旅館(須坂温泉)をやっていくのはほとんど不可能」と説明した。
 その上で、「高度な専門知識を持った民間業者に経営してもらえば、須坂温泉は十分に成り立つと思っている」と述べた。
 株主に対して「須坂温泉は市にとって大切な施設。存続することが使命」と理解を求めた。年配の男性は「仕方がない。今の経営状況や体制では先が見通せない」と話した。別の男性は「自分の子どもを身売りするようなもの」と憤った。
 三木市長は、契約内容は検討中としつつ、「賃貸期間をある程度長くして経営してもらうことを考えている。(同社が大谷町などから借りている)土地の賃借料や、市への返済金(毎年1,600万円余)も含めて、賃貸料として(民間業者に)須坂温泉へ納めてもらう形にしていこうと思っている」と述べた。
 一方、市は1日の市議会全員協議会で、同社からの要請を受けて「公共施設と同様の認識に立って、筆頭株主として、できる限り維持・存続の支援をしていきたい」とし、市の貸付金(残り1億9,400万円余)の返済について、民間業者の賃貸料負担軽減のため、経営が軌道に乗るまで3年程度、猶予すると共に、年間の返済額を減額して、返済年数を延ばす意向を示した。
 また、施設の修繕について、貸し主(須坂温泉)が経費負担するのが一般的だが、「須坂温泉に資力がないため一定額以上は市が支援したい」とした。金額は50万円以上を想定していると説明した。

2017-06-03 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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