2017-04-01 07:00 am by 須坂新聞
須坂市の豊丘地域活性化連絡協議会(会長・山岸賢一豊丘上町区長)は8日、豊丘上町の市指定有形文化財・市旧園里学校に「園里郷土資料館」をオープンする。明治16(1883)年建設の歴史的建物に、主に明治〜昭和に地域住民が使った農具や日用品、書物などを展示し、かつての生活の様子や歴史、文化などを紹介する。
旧園里学校は、日本建築を基礎に、西洋建築のデザインを取り入れた擬洋風建築と呼ばれる建物。昭和初期まで学校、その後、旧豊丘村役場などとして利用され、平成4(1992)年に復元修復工事が行われた。
木造2階建てで、昨年まで1階は児童クラブとして使われていたが、豊丘小内に移転したことから、住民主体で郷土資料館を整備することに。展示品は豊丘郷土資料保存の会(市川喜太郎会長)が地域に呼びかけて約200点を集めた。
1階の3部屋はそれぞれテーマを設けて展示。いろりを設置した部屋は、おやきやひんのべなどの粉物料理づくりに使った石臼、そば打ち道具、箱膳などを並べて、昔の家族空間を再現する。
座敷・蚕室の部屋は畳敷きにして、結婚式の三三九度の道具や、裃、嫁入り道具を入れた長持ち、たんす、蚕糸の座繰り機、糸車などを展示。もう1部屋は、各種脱穀機や鋤(すき)、のこぎり、縄ない機などの農機具を並べている。
2階はこれまでも、昔の教室を再現した部屋や、教科書などが並べられていたが、新たに住民から寄せられた医学書や古文書などを加える。
豊丘に多く伝わる民話も紹介する。豊丘は上州(群馬)に通じる三原道が通り、また、牛の飼育が盛んだったことから、関連資料も充実させて解説する。
同協議会事務局長の小林道男さん(豊丘上町)は「豊丘は教育熱心な歴史ある地域。豊丘小の郷土資料室としても利用してもらい、子どもたちがこの地域に誇りを持ってもらえれば。年配者には昔を懐かしんでもらいたい」と話している。
郷土資料館は入館無料。8日は午前10時から開館式、11時から小林さんが「三原道と灰野牛」で講演する。豊丘地域公民館☎026-245-9768。
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