映画「一茶」田中本家博物館と子安温泉でロケ

2017-02-04 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 藤沢周平の同名小説を原作とする映画「一茶」のロケが昨年秋、田中本家博物館(須坂市穀町)と子安温泉(高山村牧)で行われた。年内に上映が予定され、映画と共に須高地区の歴史的建物や美しい風景などが全国に発信される。
 映画は信濃町出身の俳人小林一茶が長年にわたって家族との愛憎や世間との葛藤に苦しみ、さらに妻子に先立たれた失意の中で句を詠み続ける人間一茶を描く。原作は藤沢周平の同名小説。監督は吉村芳之さん、脚本は柏田道夫さん。配給はKADOKAWA。
 田中本家博物館は一茶に寝食の世話をした江戸の商人の館として設定。江戸時代の風情があるとしてロケ地に選ばれたという。撮影は中庭、蔵の小路、清琴閣(せいきんかく)などで行われ、主役で一茶役のリリー・フランキーさん、夏目成美(せいび)役の奥田瑛二さん、露光役の内野聖陽(せいよう)さんらが参加した。
 撮影に協力した同博物館の田中新十郎館長は「短い時間に集中して、しかも同じ場面を繰り返して演じる俳優の皆さん、休みなく動き続ける約80人のスタッフを見て、映画作りの大変さを感じた。現場は緊張感があり、話しかけることはほとんどできなかった。撮影を通して、少しでも地域活性化になればうれしい」と喜んでいた。
 映画制作を担当したオフィスティーエム(東京都)は「田中本家博物館は古くて立派な商家というイメージがあり、ロケ現場として最高で、良い絵ができた」と話していた。 なお、同博物館には、一茶が田中本家で詠んだとされる「涼しさや 縁(えん)からすぐに 川手水(かわちょうず)」の句が残っている。
 一方、子安温泉は一茶が通風の療養のために訪れた温泉旅館という設定。見舞いに訪れた弟と共に温泉に浸かるシーンなどが撮影された。
 同温泉の山口渉社長によると、同温泉が映画撮影に使われたのは今回が初めてという。「一茶にゆかりのある高山村が撮影に使われて良かった。撮影シーンは映画を見ればすぐに分かると思う」と話していた。
 オフィスティーエムは「子安温泉は古い時代の風情を残した数少ない温泉で、入浴シーンは大事な場面。試しに入浴したスタッフがのぼせるほど気に入っていた」と話す。

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