須坂市の「旧小田切家住宅」が開館〜蔵の町並み 魅力さらに

2016-07-23 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市は、市指定有形文化財で明治時代の歴史的建物「旧小田切家住宅」(春木町)を文化施設として整備し、15日に開館した。小田切家に伝わる歴史的資料や日用品などの展示のほか、伝統文化などを体験する各種講座を開いたり、市民や観光客の交流、憩いの場などとする。開館記念として8月末まで、日本初の女性報道写真家・笹本恒子さんの写真展を開いている。
 小田切家は、豪商として幕末まで須坂藩の御用達などを務めていた。建物は明治の須坂騒動でほとんどが打ち壊されたと伝えられ、その後、製糸業などを営んだ事業家の小田切辰之助が再建したとされる。約1,300平方メートルの敷地に母屋、店、上店、土蔵4棟、水車小屋などを備え、製糸業で栄えたころの須坂の歴史や、暮らしぶりなどを伝えている。
 昭和の終わりごろから空き家となっていたものを、市が建物を所有者から譲り受け、土地は購入して、復元修理した。
 母屋は木造2階建て延べ床面積約320平方メートル。塗り屋造りで、屋根は北側が切り妻、南側が入り母屋の瓦ぶき。茶の間、中間、北の間、座敷、奥座敷などを備えている。
 水車小屋は、須坂で初めて水車動力による繰糸の実験が行われたと考えられ、須坂の機械製糸発祥の地といわれている。直径約2.5mの水車が設けられ、実際に手動で回して、きねで穀物などをつく仕組みや機械製糸の仕掛けを学べるようになっている。
 開館式典で三木正夫市長は「市の歴史や昔の生活を知ってもらう蔵の町並みの中枢を担う施設。周辺施設や事業者、地域のみなさんにも協力いただきながら、蔵の町並みの魅力向上を図りたい」とあいさつした。常盤町神楽保存会が神楽を奉納するなどして開館を祝った。
 前所有者の小田切幸一さん(82、田の神町)は「立派に復元して残していただき大変ありがたい。市に活用していただき、役に立てばうれしい」と話していた。
 旧小田切家住宅は市文化振興事業団が指定管理者で運営する。入館料300円。中学生以下と70歳以上の市民は無料。木曜日休館。同館☎026-246-2220。

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