2016-04-09 07:00 am by 須坂新聞
須坂の郷土食や行事食、伝統野菜などについて学び、次世代に伝えていく人たちを養成しようと、須坂市が4回講座で開いた「すざか食の匠」講座の最終回がこのほど、市保健センターで開かれた。受講生40人のうち30人が、それまでの学びを生かして作った弁当を持参し、そこに込めた思いを語り合った。今後は、自主グループとして保育園や市の行事など、依頼に応じて食の伝承活動に関わっていく予定という。
第1回は飯綱町の食文化伝承の取り組み。第2回は須坂市の風土や食文化、伝統野菜、郷土食、伝統食など。第3回は箱膳体験を通して「いただきます」に込められた意味を学んだ。
最終日のこの日、受講者は、重箱や弁当箱、タッパーに詰めた弁当を一斉に広げ、食材についてや調理の工夫などを話した。自宅で採れた野菜を使う人が多く、フキノトウとニンジンを混ぜたかき揚げ、納豆と野菜などを混ぜた納豆揚げ、村山早生ごぼうの煮付け、自家製の梅漬けなど、さまざまなおかずが卓上を彩った。受講者はみんな興味津々で、作り方の情報交換も盛んに行っていた。
講師の池田玲子さん(長野市、県農村文化協会役員)は「どれもよくできた弁当。日々の暮らしの中で、いつ誰がどんな時に食べる弁当かというテーマがあれば、さらに良い。そして、材料費はいくらかということも重要になってくる。新しい情報だけでなく、自分が幼い頃、祖父母や両親によく聞かされたことわざや、春に苦いものを食べる理由、何故お彼岸にぼたもちを作るのかといった食の向こう側にある事柄も、自分の話題の引き出しにたくさん入れて、子どもたちや若い人たちに語り継いでいってほしい」と講評した。
受講した荒井廣志さん(67、高橋町)は「4回講座は参考になることが多かった。まずは家族や身近な人と共有したい」と話していた。
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