【未来のなでしこへ 続く挑戦】山岸 夢歩さん〜須坂市南原町出身の中学3年

2016-01-01 07:00 am by 須坂新聞

スポーツ icon 未来のサッカー日本女子代表“なでしこジャパン”を目指す中学生がいる。須坂市南原町出身の中学3年山岸夢歩(ゆめほ)さん(15)。小学校卒業後に親元を離れ、茨城県内にある女子中学生の選手育成組織「小美玉フットボールアカデミー」で挑戦を続けてきた。春には女子サッカー部がある茨城県外の高校に進学予定。小学生の時に抱いた“なでしこ”への思いは、さらに強くなっている。
 同アカデミーは、中学生年代のサッカー少女の受け皿として、2013年4月に開校。山岸さんをはじめ1期生13人でスタートし、現在は約30人が所属している。
 山岸さんは、全国各地から集まってきた仲間と寮生活を送りながら、平日は小美玉市内の公立中学校に通い、帰寮後に練習に励んできた。
 チームの中心選手として、FWやMF(サイドハーフ)で活躍。2年連続で関東トレセンのメンバーにも選ばれた。身長は152cmと小柄だが、50mを7秒2で走る俊足。「スピードを生かしたプレーが一番得意」だ。
 2年生の後半からは主将に指名され、チームをけん引してきた。松下潤監督(36)は「ひた向きに頑張れる選手。背中で周りを引っ張っていくタイプ」と話す。
 チームは本年度、15歳以下の県女子ユース選手権2連覇をはじめ、初参戦した関東リーグでも3位に。県リーグは大人も交じる1部で戦っている。
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 「仲間にいいパスが通ったときや、いい流れでシュートが打てたときはすごい気持ちいい」。そうサッカーの魅力を語る。
 JFC須坂ジュニア出身。兄の影響で小山小1年の時にサッカーを始めた。男の子に交じってプレーすることに抵抗もあったが、それよりもサッカーをすることが楽しかった。攻撃陣の一員としてレギュラーの座も勝ち取った。
 同アカデミーに進んだのは「本当に“なでしこ”になりたいと思った」から。5年生の時、日本が2011年女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会で初優勝を飾った。その活躍をテレビで見て、夢を膨らませた。父・秀樹さん、母・真理子さんにも背中を押され、挑戦に「迷いはなかった」。
 それでも小学校を卒業したばかりの12歳の少女にとって、環境の変化は苦労が多かった。「寮生活はめっちゃ大変で、すごいホームシックになった」
 練習や勉強以外にも洗濯、掃除、食器洗いなどをこなし、休日は自分たちで昼ご飯も作る。慣れるまでに1年ほどかかったという。
 仲間との関係も最初はうまくいかず、ささいなことで言い合いになった。「サッカーをしたらまずけんか。何でこんなところに来てしまったんだろうと思った」と振り返る。
 同じ時間を過ごすことで互いの仲を深め、信頼関係を築いた。「今ではなんだかんだ仲が良い。サッカーも生活面もすべてで成長できた」と言い切り、後悔はない。
 卒業後、大半の1期生は来年度開校する高校生のアカデミーに進む。共に汗を流した仲間と離ればなれになるのは寂しいが、「ここで経験してきたことを生かしながら、また一からやるつもり」。スピードあるプレーをさらに磨き、足元の技術も高めたいという。
 松下監督は「スピードは日本の女子選手の中でもトップクラス。(上を目指すためには)今後、それをどう生かしていくかが鍵。自分の力で夢を切り開いてほしい」と期待している。
 「将来の目標は“なでしこジャパン”に入ってW杯に出場すること」と山岸さん。その目標に向かって、次の一歩を踏み出す。

2016-01-01 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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