2015-11-21 07:00 am by 須坂新聞
ラウンドアバウトサミットin須坂が12、13日、須坂市で開かれた。須坂市などラウンドアバウト(環状交差点)を導入している国内12市町でつくる協議会が普及促進などを目的に開催。講演やパネル討論などを行った。重大事故抑制などの機能面だけでなく、地域のシンボルになるなど、まちづくりの面でも効果を挙げていることなどが報告された。
ラウンドアバウトは、通行車が速度を落とすため重大事故の抑制や、信号待ちがないため円滑な運転につながると共に、電力や維持管理費などがかかる信号機に比べて環境、経済、景観の面でも優れ、災害にも強いというメリットがある。
一方で、一定の交通量を超える交差点への導入は難しく、交通量の急激な増加に対応できない。また、信号機に比べて広い用地が必要なため、用地取得などの整備コストがかかるという。
須坂市が昨年9月に導入した野辺町のラウンドアバウトは、それ以前は3年間で13件の交通事故が発生していたが、導入後は1年間で物損事故が2件だった。通行方法やマナーの徹底などが今後の課題という。ラウンドアバウトの中央島に、住民が花壇を整備し、景観形成やまちづくりのきっかけにもなっているという。
日大理工学部交通システム工学科の下川澄雄教授はラウンドアバウトを活用したまちづくりについて、幹線道路と生活道路の境界などにラウンドアバウトを設けることにより、郊外と市街、生活圏と観光圏などの「エリアを明確にするサイン、まちの入り口のシンボルになる」とした。
また、「ラウンドアバウトだけで(交通課題の)すべてが解決するわけではない。(信号機や道路網などと)いろいろ組み合わせることでしなやかなまちができる」と話した。
名古屋大学大学院環境学研究科都市環境学専攻の中村英樹教授は「今後は道路を造り込んで利用者(歩行者、自動車、自転車)の行動、まちづくりを誘導していけるかにかかっている。その一つのツールとしてラウンドアバウトは重要な役割を果たす。道路空間のつくり方によって利用者の行動、まちの景観、魅力なども変わってくる」と話した。8月末現在、ラウンドアバウトは15都府県48カ所で運用されている。
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