家庭犬競技会で最高位称号〜松沢正さん(須坂市相森町)の愛犬「チリ」

2015-11-14 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市相森町の松沢正さん(69)の愛犬でラブラドルレトリバーのチリ(5歳、メス)が、ジャパンケネルクラブ(JKC)が主催する家庭犬の訓練競技会で優秀な成績を挙げ、最高位称号のグランド・トレーニング・チャンピオン(G・T・CH)を獲得した。
 競技会の成績によってポイントが付き、累計60ポイント以上になると与えられる。3年前には20ポイント以上のトレーニング・チャンピオン(T・CH)を得た実績もあり、あらためて能力の高さと訓練の成果を示した。
 競技会は指導手と犬がペアで出場し、競技クラスごとに課目の習熟度を競う。基本課目には、コの字型のコースを使って紐なしで指導手の左足側を歩いたり、伏せの状態を保つものなどがある。各課目の総合得点が基準を上回るとポイント(大会によってポイント数は異なる)が付く。
 チリの挑戦は1年前から始まった。ドッグカントリーMEG(長野市)でJKC公認訓練士の遠山景行(ひろゆき)さん(30、須坂市米持町)と訓練に励んだ。2年のブランクで最初は指示に従わなかったり、体重も増え過ぎていたため、ダイエットをしながら一から鍛え直した。
 ことし1月から再び競技会への出場を始め、経験のある一般の部(訓練士などが対象)中等科(95%以上でポイント)でポイントを積み重ねた。また、G・T・CHは難易度の高い競技でポイントを得る必要があるため、「オビディエンス」(80%以上でポイント)という世界基準の競技にも臨んだ。
 オビディエンスは競技会当日にコースが発表されるほか、審査員の指示によって課目を進めたり、競技時間も長くなるなどの難しさがある。伏せの状態で約20?離れた場所から声の合図で指導手の元へ戻ったり、障害物の往復跳び越え、約10m前方にあるダンベルを口でくわえて持って来るなどの11課目で試される。
 先月31日、東京都で開かれた秋季訓練競技大会。目標達成まであとわずかに迫っていたチリは、オビディエンスの各課目で安定感をみせた。ポイントを取り、併せて称号獲得の条件も満たした。
 JKCによると、競技会は全国各地で年間30回ほど開催されており、G・T・CHについては「ある程度の期間、優秀な成績を収め続けることが必要」としている。
 指導手を務めた遠山さんにとっても初めての経験になった。活発で物おじしないチリの訓練は大変だったというが「やるときにはやる犬。急ピッチの訓練だったがよくやってくれた」とたたえた。
 チリは松沢さんが妻と二人で飼っている。前回の経験から犬の能力に興味を抱き、再挑戦したという。訓練中はほとんど愛犬に会えないが、松沢さんは「何とか我慢した。1年間厳しい訓練を頑張ったチリを褒めてあげたい。本当にうれしい」と喜んだ。
 来月中には訓練を終えて帰ってくる予定。今後は愛犬との生活を楽しみながら「犬を通じて人のためになることがあれば」とも考えている。
 遠山さんによると、競技会の知名度はあまり高くないようで「犬との触れ合いを楽しむ一つ。見ているだけでも楽しい」とPR。県内には少ないという「訓練士のことも知ってもらえれば」と話している。なお、12月6日に松本市で北陸甲信越ブロック訓練競技会が開かれる。

2015-11-14 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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