須坂に「宇宙と農業資料館」〜元JAXA主幹研究員の中島厚さんが自宅に開設

2015-11-07 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市相之島町出身で、元宇宙航空研究開発機構(JAXA)主幹研究員、元信大工学部特任教授の中島厚さん(68、東京都)はこのほど、相之島町の自宅に「宇宙と農業資料館」を開設した。信州初の超小型人工衛星として注目を集めた「ぎんれい」をはじめ、中島さんが開発に携わった人工衛星の模型や機材、パネル、宇宙に関する資料、書籍、ビデオコーナーのほか、自宅に保管されていた昭和初期の農機具などを展示している。
 「ぎんれい」は県内企業と信大が中心となって開発した約40センチ立方、重さ約33kgの人工衛星で、昨年2月に打ち上げられた。世界で初めてLED可視光を使って地上と衛星間の光通信実験を行った。中島さんは航空宇宙工学が主要研究分野で、プロジェクトマネージャーとして指揮した。
 展示されているのは同じ素材を使った実物大の模型で、モールス信号でLEDを点灯させることができる。同様の技術を用いた、懐中電灯型双方向可視光通信装置も体験できる。
 また、宇宙で骨組みや空力傘の展開・収納実験などを行った観測機器「おりづる」、日本初の相乗り衛星「じんだい」の模型なども並べられている。
 本やビデオは子ども向けから専門的なものまで、幅広くそろえている。展示室の一画には中島さんの研究室も設けた。タイミングが合えば、宇宙についての話を直接聞くことができる。
 中島さんは今年3月に信大工学部特任教授を退任したことから、これまでの研究成果や関係資料を展示すると共に、ふるさとの人たちに宇宙への関心を深めてもらおうと、自宅倉庫を改築して資料館にした。今後は講演会や観測会なども開きたい考え。
 中島さんは「宇宙の基礎知識から、最新の技術・情報まで知ることができる。農機具もあってユニークな施設になっている。地域のコミュニケーションの場として気軽に足を運んで」と話している。 現在は信州衛星研究会事務局長などを務めていて、東京と長野を行き来しているため開館は不定期。電話確認してから来館を。住所は相之島町570。同館☎026-245-2290。

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