【須坂市】空き家の問い合わせ増〜専門職員配置で

2015-08-29 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市が昨年度から始めた、市内の空き家情報を提供する空き家バンク事業で、これまでに6件の契約が成立した。市は昨年度から移住支援チームを設け、今年度からは地域おこし協力隊員の吉田博司さん(65、村石町、京都府出身)が同事業専門職員となって取り組んできた。それ以降、5件が成立し、7月からはほぼ毎日、登録物件に対する問い合わせがあるという。多様なニーズに対応し、移住や定住促進につなげるため、今後、移住希望者に対して就業相談や暮らしの紹介などにも力を入れる考えだ。
 同事業は、県宅地建物取引業協会長野支部と物件の仲介などに関する協定を結んで行っている。所有者から申し出のあった賃貸や売却の空き家情報を市のホームページなどで公開したり、見学の案内をしている。
 4月以降、吉田さんが各区長などを回って空き家の情報提供を呼びかけたり、地域を歩いて掘り起こしている。加えて、6月に回覧板で事業内容を市内全域にPRするなどしてから登録や見学の問い合わせが増えたという。吉田さんは「市が仲介しているということで、信頼感があるのではないか」と話す。
 ただ、これまでの契約者は市内や近隣が中心で、6件の内訳は神奈川県1人、中野市1人、長野市1人、市内3人。そのうち1人は購入だった。家族構成などは把握していないが、夫婦や家族で住む人が多いとみられる。
 6〜8月の物件見学者は20人以上。電話などでの問い合わせは市外から6割、市内から4割程度。市内や近隣からに関しては「アパートなどに住む家族連れなどが、より良い条件の物件を探しているのでは」とみている。
 また、現在の登録物件数は16件と十分ではない。空き家があっても所有者から、いずれ子どもが住むかもしれないと言われたり、近所を気にして登録を断られるケースが少なくないという。家主が分からない家も多い。
 吉田さんは「空き家はもっとあると思うので、地域を地道に回って理解してもらい、登録物件数を増やしたい」と話している。
 移住支援チームの加藤広明さんは「まだ都市圏からの移住はハードルが高いが、興味を持ってもらえるようになってきている」と手応えを感じている。
 多方面から移住を後押しするため、9〜12月に毎月1回、空き家見学とキャリアカウンセラーによる就業案内、豊丘の民家での住民との交流会を組み合わせた1日ツアーを実施する。9月5日は関東や東北などの7人が参加する予定。希望者には高甫小東側に整備した移住体験ハウスで宿泊もしてもらう。
 なお、市は市内の空き家の実態を調査し、データベースを整備するため、9月市議会に提出する一般会計補正予算案に経費100万円を盛った。
 小布施町も平成24年度から空き家バンク事業を実施しているが、契約の成立はまだないという。

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