【須坂市】学校・企業は人材育成を〜デュアルシステムを学ぶ

2014-10-18 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 来年4月開校の須坂創成高校(仮称)創造工学科が取り組む「デュアルシステム」を学ぶ講演会が14日、須坂駅前シルキービルで開かれた(写真は10月18日号4面)。企業・学校・行政関係者ら約80人が参加。平成16年からデュアルシステムを導入している東京都立六郷工科高校の先進事例を聞き、企業は人材育成の観点で生徒を受け入れる大切さなどを確認した。
 講演会は、蔵の町並みキャンパス元気スクール実行委員会(三木正夫実行委員会長=須坂市長)が主催。六郷工科高デュアルシステム科主幹教諭の野沢幸裕氏、千葉政英氏が「東京都のデュアルシステムによる実習について〜デュアルシステムを成功させるために学校・企業でやるべきこと」と題し話した。
 六郷工科高は平成15年4月に開校、翌年8月に文科省から「日本版デュアルシステム」推進地域に指定された。デュアルシステム科生徒の受け入れ企業は70社ほどからスタートし、現在は約230社に増えたという。
 1年次は複数の企業を見学後、インターンシップを行う。2、3年次には長期就業訓練がある。専門性を高めるため、2年次から機械と電気・情報の2コースを設けている。
 学校がやるべきことでは?企業開拓?中学校訪問(広報活動)?実習設備などの整備?教員企業派遣研修?教育課程の進行(検証・改善)―を挙げた。このうち、教員企業派遣研修は、生徒の気持ちに対する理解につながり「指導に反映できる」と意義を示した。また、生徒が実習企業を選択する際の傾向として「(生徒自身の)居場所があるかどうかで選んでいる」と述べた。
 企業がやるべきことでは?受け入れ体制の整備?企業実習のカリキュラム?学校との連携―を挙げ、六郷工科高の生徒を受け入れている提携企業の社長の話を映像で紹介した。
 実習は?生徒の目線に合わせる?ことが大事で、生徒と年代が近い社員を指導役にすることなどを勧めた。生徒を働き手として受け入れる悪い企業もあるといい、「ものづくり人材を育てる観点を忘れないで受け入れてほしい」と強調。「生徒のできることを確認しながら進めてほしい」と呼び掛けた。
 須坂創成高に新設される創造工学科には精密機械、メカトロニクスの2コースが設置される。県内最大の実習時間とデュアルシステムの導入が特徴で、将来の地域産業を担う人材育成への期待が大きい。今年3月末には「生徒実習受け入れ協力企業会」(久保正直会長)が設立され、市内を中心に50社が受け入れに協力していく。

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