土壁塗りを体験〜旧小田切家修復で

2014-10-18 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市と県建築士会須高支部は11日、保存活用のため復元修理工事を行っている市指定有形文化財の「旧小田切家住宅」(春木町)で、左官工事の体験学習会を開いた(写真は10月18号19面)。市内の小学生や須坂園芸高校の生徒ら約10人が荒壁の土塗り作業などに挑戦し、職人の技術を肌で感じた。
 体験学習会は8月に荒壁の土作り体験を開催したのに続いて2回目。今回はそのときに地元小学生ら約20人が作った、古い壁土に新しい土やわら、水を加えて練り、発酵させた荒壁土を使用した。
 この日は修復中の水車小屋と車寄せで作業を実施。参加者たちは市内八幡町で左官業を営む岩船和昭さん(57、須坂左官商会代表)から、こての使い方などの手ほどきを受けながら、土塗りを体験した。
 姉妹で参加した近藤朱音さん(旭ケ丘小5年)と和奏さん(同3年)は、初めはぎこちない手つきだったが、慣れてくると手際よく作業を進めていた。朱音さんは「(こて板に載せた土が)重くて腕が疲れた。土を壁に塗るところが難しかった。自分が塗った壁が残るのはうれしい。出来上がりを見るのが楽しみ」と話していた。
 また、須坂園芸高校の生徒は細い竹やヨシを細縄で編み、荒壁の下地を組んでいく「小舞掻き(こまいかき)」の作業も体験した。造園科2年の黒岩雅弘君(長野市)は「説明を聞いて簡単にできると思ったが、実際にやってみると難しかった。土塗りも初めは力の感覚が分からなかったが、こての使い方のこつを教えてもらったらうまくできた。自分が協力した場所が文化財として残ることはうれしい」と話していた。
 旧小田切家住宅は敷地約1,300?に母屋や土蔵など11の建物がある。保存活用に向け2〜3年をかけて工事を行う計画で、今年6月に着工した。

2014-10-18 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



須坂新聞


 須坂新聞はタブロイド判(20P~24P)で毎週土曜発行(年間48回)長野県須高地域(須坂市・小布施町・高山村・長野市若穂地区)で購読をいただいております。また配達地域外でも郵送にてご購読いただけます。購読料は1100円(月額/税込)です。購読お申し込みはこちらから。