須坂に咲いた「ヒマワリ」のワケ

2013-07-27 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 県労働金庫須坂支店(馬場町)の運営委員会(小林君男委員長、15人)は、宮城県石巻市立大川小学校(大震災津波被災地)の児童を亡くし、また不明児童のお母さん8人が書いた絵本『ひまわりのおか』の購入を通じて復興を支援している。今年1月、千羽鶴を届けた際に同校の避難先の高台「ひまわりのおか」で取れたヒマワリの種を託された。4月に須坂支店の花壇に種をまき、3カ月目のこのほど、花が咲いた。
 同校は平成23年3月11日の津波で児童108人のうち74人と先生10人の命が奪われた。同年6月初め、被災から49日目に見つかった子供のお母さんが「丘の上にヒマワリを植えよう」と言い出した。高台は避難先。「みんな、ここに来たかったのだから、ヒマワリが咲いたら喜ぶよ…」。
 絵本は売り上げの一部を被災地復興等に寄付すると記され、昨年夏、新刊紹介された。信濃毎日新聞を見た本部(長野市)職員が労金としての支援を呼びかけた。19店舗のうち須坂など4支店が活動に賛同。須坂支店は10月のろうきん親子ふれあいアニメ祭りで趣旨を説明した上で出席者に募金を呼びかけた。
 一方、労働組合にも依頼し、募金と千羽鶴の協力を呼びかけた。
 昨年11月末には264,600円が集まり、須坂支店管内の須坂市・小布施町・高山村の全幼保育園、児童センター・児童クラブ、小中学校、公立図書館68カ所に合計168冊をクリスマスプレゼント(寄贈)した。
 千羽鶴は合計5,700羽が集まり、今年1月、小林委員長、伊藤治彦前支店長ら3人で届け、高台の慰霊塔にささげた。著者8人のうち3人のお母さんに面会し、ヒマワリの種を託された。
 小林委員長は取材に「市中銀行と違って労金は利益を会員に還元する金融機関。運営委員会の取り組みとして悲しい思いのお母さんに励ましのエールを送る活動に取り組んだ。次へつなげたい」。
 相沢裕治支店長は「絵本はお母さんがわが子に宛てた手紙のようだ。親の気持ちが伝わり、普段と変わらない生活が長野でできる幸せを感じた。支援は労金の原点に近い取り組み。須高の同世代の子供には被災児童を忘れてほしくない。須坂で咲く大輪は行方不明者の発見を信じる希望のヒマワリ」と話す。
 花壇には通行人が「ひまわりの詩」と題し思いを寄せている。

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