女子高校球児、最後の夏へ

2013-07-06 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 須坂東高校野球部初の女子選手・岡宮晴香さん(3年、長野市)は、高校最後の夏を迎えた。これまで男子と同じ練習をやり抜いて、「自分に自信が持てた」と振り返る。規定で公式戦には出場できないが、17日の初戦はスコアラーとしてベンチ入りし、仲間を勇気づける。「自分のできることをしてチームをサポートしたい。みんなに頑張ってもらい、1つでも多く勝ってほしい」と話す。
 緑ケ丘小5、6年の時に弟や1学年上の女子がやっていたこともあり、地元の育成会でプレーした。三陽中ではバレー部に入部したが、野球にも関心があり、テレビで高校野球やプロ野球を見ていた。
 高校入学後、再びプレーすることに興味がわき、野球部の監督に相談した。公式戦には出られないと言われたが、それでも「腹をくくって」入部した。
 しかし、厳しい現実が待っていた。初めての硬球は「痛くて、速くて、恐かった」。身長152cmと小柄で、打撃ではバットに振られてボールが当たらない。守備(内野手)は送球が遅く、暴投ばかり。ランニングはほかの部員から大きく遅れた。
 1年の時は毎日「やめたい」と思った。だが「自分で決めたことなので投げ出したくなかった。女子だからついていけないと思われるのも嫌だった」とみんなと同じ量の練習をこなした。
 一方で、「守備で難しい打球を処理できた時や、みんなでつないで得点した時はうれしい」とプレーする喜びを感じた。
 その様子に関野則希主将(3年)は「彼女が最後まで諦めずにやっているのを見て、自分たちも頑張らなければという気持ちになった。今は体力的にも自分たちと変わらず、逆に励まされることがある」という。
 岡宮さんは「最初は戸惑いもあったが、みんなと励まし合いながら、辛い練習を乗り越えて仲間意識が高まった。練習や試合などで人と関わることも多く、以前より性格が積極的になって、人間的にも成長できたと思う」と話す。

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