故 土屋興正氏(長野市)作の能面87点を須坂市に寄贈

2013-06-15 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 能面作家、故土屋興正(おきまさ)さんの妻公子さん(75、長野市)は12日、須坂市役所を訪れ、夫の能面作品87点を寄贈した。興正さんは平成22年12月に他界した。享年72歳。国家公務員を退職後、能面師大月光勲師(京都)に7年間師事。平成21年の現代能面美術展(公募、金沢能楽美術館主催)で特選(審査委員長賞)に輝いた「泥牙飛出(でいきばとびで)」など美術的価値の高い作品が須坂の知人を介して公の施設に収蔵された。
 興正さんは東御市出身。長野市を中心に個展を4回開いた。東御市の菩提寺に能面「聖」を奉納。戸隠神社の依頼により制作した神楽面「水波乃売神(みずはのめのかみ)」は、毎月15日の宝光社祭典で使用され、10月の伊勢神宮式年遷宮奉祝行事でも使用される予定。
 寄贈は、翁面(絶作含む)7点、女面(小面、般若)30点、男面15点、鬼神仏面20点、狂言面15点の87点。ほかに能楽書籍35点や道具類(彫刻刀、型紙、絵の具、色見本)。
 この日は、泥牙飛出(金泥仕上げ牙のある神様飛出、鬼神仏面、平成21年公募展特選)小面、翁、般若を披露した。
 贈呈式後、公子さんは取材に「能面を通して幽玄の世界の舞台にも興味を広げ、能楽の世界に浸ってほしい」と願いを述べた。
 橋渡しした知人(男性)は取材に「土屋さん夫妻と35年の付き合い。故人が一生かけて作った面を散逸させないよう相談を受け、荒井清治博物館長へつないだ。須坂は謡曲の盛んな地域。点としての能面寄贈が面的に広まればと願う」と話す。
 博物館では来年度に展覧会を計画する。

2013-06-15 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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