【須坂市】移住支援で協議会設置へ〜調整区域の人口増も検討

2013-04-20 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 須坂市は、首都圏や関西圏などから市内への移住を希望する人の受け入れを支援するため本年度、宅建協会長野支部や須坂商工会議所、JA須高に呼びかけ、協議会を設置したい考えだ。昨年度は庁内連絡会議を設置。3月には県観光部移住・交流課長を招き、県の戦略を聞く第1回庁内連絡会議を開いた。席上、まちづくり課は区域区分別人口の状況などを紹介。昭和46年から続く都市計画による土地利用規制の可否など研究中と報告した。
 長野県は、NPO法人ふるさと回帰支援センター(東京)のアンケートで昨年度と一昨年度に連続で「田舎暮らし希望地域ランキング」全国1位に輝いた。
同支援センターが運営する「ふるさと暮らし情報センター」来場者を対象に実施した。回答数は昨年度1,017人、一昨年度は406人。5回目の調査だが過去3回は2位に。
 一方、一般財団法人日本総合研究所の日本でいちばんいい県「都道府県別幸福度ランキング」(昨年)でも長野県は1位(基本指標7位、健康1位、文化12位、仕事5位、生活2位、教育23位)に。
 県はおいしい食べ物や日本一(男女平均寿命、高齢者就業率、レタス・セロリ・エノキタケ・野沢菜漬けなど農産物収穫量)など地域資源をアピールしながら移住・交流戦略を進めている。
 県内移住・交流で予想される効果は①都市住民の評価により再認識する生活環境の良さや交流による生きがい獲得など社会的効果②空き地・空き家の有効利用やインフラ整備促進など経済的効果③教育的・心理的効果―が上げられるという。
 また、経済効果の試算では、団塊の世代夫婦2人世帯が移住・永住した場合、1世帯当たり1億3,000万円の経済波及効果があり、懸念される自治体の社会保障費負担増を上回るとされる。
 須坂市が実施する平成23年度転入者・転出者アンケートでは、須坂市に住んで「緑や水辺などの自然が多い」と感じる人が転入・転出共に多かった半面、「公共交通の利便性」(転入者)と「まちのイメージ」(転出者)で住みにくいとの指摘も多かった。
 また、須坂を選んだ理由は「家庭の事情から」が58%を占め、次いで多かった「生活環境・住宅事情が良い」が39%に上った。
 市は昨年10月、県が東京で開いた信州田舎暮らしセミナーに高山村とともに参加した。来場者へのPRが大半で個別相談は少なかったという。県内視察では茅野市に学んだ。
 本年度は、移住者の受け入れに必要な整備など本格的に検討を進めるが、第五次市総合計画の前期重点プロジェクトに掲げる人口増対策も同時に進める。
 まちづくり課が作成した昭和60年以降5年ごとの市行政区域内人口の推移と推計(表)では、平成22年の市街化調整区域内人口が5年前(平成17年)に比べ16.17%(2,170人)減少している。同課は自然減(少子)のほか、利便性や雇用環境のいい所への移動などが要因とみている。
 表からは、自然動態(出生数から死亡数を除く)社会動態(転入数から転出数を除く)による増減のほか、集合住宅の建築や企業活動などによる経済・社会環境の影響がみられる。例えば、市街化区域内の地価が上昇傾向の時期には都市計画区域外人口の増加がみられ、地価の下落傾向とともに市街化区域内人口が増加しているとの見方もできそうだ。
 まちづくり課は16日の取材に「開発行為を規制する市街化調整区域内で住宅が建てやすくなるよう本年度は研究していく。既存集落維持のためにも移住受け入れ支援を検討したい」とする。表の22年等推計値は20年の都市計画基礎調査推計値。

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