2012-11-11 07:00 am by 須坂新聞
土屋武志さん(37、須坂市上中町、土屋印店)は先ごろ、2年置きに開く第19回全国印章技術大競技会(全日本印章業協会主催)の「木口密刻の部」で「金賞」と「中国印章業連盟会長賞」に輝いた。同部門は3回目の出品で2回連続金賞。一方、3日、第60回記念大印展(大阪府印章業協同組合主催)の「木口角印の部」で「金賞」と「世界文化遺産賀茂御祖(かもみおや)神社宮司賞」に入った。同部門は3回目の出品で初の金賞と最上位。
父重忠さん(4代目)が営む家業に入って6年目。
岡山市で開いた全国競技会の木口密刻の部は12点で競った。36mm角のツゲ材に課題文字「柏葉寿」を篆書(てんしょ)で彫った。柏葉の寿とは、柏の常緑から、変わらぬ繁栄を祈るめでたい言葉。
文字の周りは鶴亀と四季の植物の絵を重ね、立体感を狙った。印刀を使って2週間で彫り上げた木口密刻作品は通算6作目。
土屋さんは「お題と絵の組み合わせを考えるのに時間がかかったが、出来栄えはまずまず」と話す。今後の課題については「文字の配字と切れ、見て楽しめる」を挙げた。
一方、大印展の木口角印の部は23点で競った。36mm角のツゲ材に「大印展還暦記念大会印」の文字を篆書で配した。
木口角印は6作目だが「これまでで一番の出来」。課題は「印稿(設計図)が甘くならないように何度も書き直したが、3、3、4と文字数の違う作品のまとめ方」を挙げた。
印章彫刻士としての自覚については「大会に一番出品している年代だが、月1回、神奈川の先生の所に通い、精進している身。お客さまと相性のいい、気持ちよく使っていただけるハンコを目指している」と話す。
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