藍染め体験を楽しむ〜仁礼町で文化学園、工科大生と交流

2012-09-09 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市と古民家再生プロジェクト(文化学園大学、東京工科大学)は1日、篠塚邸(須坂市仁礼町宇原)での夏合宿で地元住民を交えて学生、教員ら25人がワークショップ(作品づくり)を開いた。佐藤百合子文化学園大学教授を講師に藍染めの手拭いとハンカチを作った。また、昼食後、酒百(さかお)宏一東京工科大学准教授を講師に築120年になる篠塚邸古民家の柱や床などに刻まれた模様などを色鉛筆で紙に写し取った。
 藍染めは、絞り染めの技法を使って簡単にできる縫い絞りや折り紙絞り、板締め絞りで思い思いの作品に挑んだ。絞り染めは輪ゴムや木っ端で縛り、圧力をかけることで染料が生地に染み込むのを抑え、水洗いして定着液に浸すと、緑色だった染料が空気に触れて酸化して藍色に。縛った箇所は白くなった。
 佐藤教授は「何回か経験を積むと出来上がりの予想がつくようになる。重ね染めもできる」と説明した。
 手拭いの両端を縫わないのは、洗って乾き易い▽裂いて昔は下駄や草履にすげる鼻緒に用いた▽応急処置に▽物を包む風呂敷や袱紗(ふくさ)に―など幅広く利点が生かせるという。
 初めて挑戦した広瀬友香里さん(東京工科大学デザイン学部3年)は「本に書いてないことを想像してやったものが形になって面白かった。藍染めはなじみがなかったが、興味が湧いた」。
 益川穂香(ほのか)さん(同)は「想像できないものができた。シンプルでしっかり色が出ていい体験ができた。昨年夏に続いて参加した。東京では経験がない夜の月明かりで山が見えて感動した」と取材に答えた。
 地元参加の中村果琳(かりん)さん(日滝小6年)は「簡単だと思ったけど意外と難しかった。全体的にうまくできた」。篠塚香里(かおり)さん(東中1年)は「藍染めは知らなかったが、ラップや輪ゴム、テープで縛って全体的にうまくできた。楽しかった」。
 前日に染めたのれんは、満月と星のデザインで25人の合作。白いTシャツを藍染めし、着用する学生もいた。
 建物所有者の篠塚久義さんは「明治20年ごろ、家の北側に藍を発酵させるための藍小屋があった。養蚕が盛んで蚕を飼い、馬は家族同様に大切にし、ホップも保存して住宅は農産物の生産貯蔵施設でもあった」と120年の歴史を紹介した。
 昼には韓国の留学生が調理した韓国料理のチヂミ(お好み焼き)とポックンタン(鶏肉の煮込み)を味わった。

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