【須坂市議会】給食センター候補地 地盤で沸騰

2012-09-08 10:39 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 市議会9月定例会は4日〜6日、14議員が一般質問を行った。石合敬議員は、移転新築を計画する市学校給食センター予定地の土壌問題を取り上げた。
 新センターは平成27年度供用(25年度実施設計、26年度建築)を予定する。昨年度、建設検討委員会(学校関係者や保護者、公募市民、学識経験者ら24人で構成)を設置し、今年4月に基本構想の提言を受けたが、市は建設場所は未定としていた。だが、内々に土地所有者の地元共有財産管理組合と交渉し、昨年10月に文書で打診。12月に了承の回答を得ていたという。
 市は建設候補地を村石町の雑種地(約1万平方メートル)に定め、本年度当初予算で建設準備に約600万円を計上(地質調査約200万円、測量調査300万円、厨房=ちゅうぼう=・設計業者選定審査専門委員会報償費・旅費100万円)。基本設計を予定している。
 本年度に入り、建設候補地がおか砂利採取地と判明。これを踏まえ、当初予算のボーリング調査(3カ所、延長45㍍)は7月3日〜9月28日の工期で3カ所、延長31㍍で実施。追加調査として掘削調査1カ所(広さ16平方㍍、深さ4㍍)と土壌分析調査1カ所を行った。調査結果は9月末までにあり、市は第一次判断をするとした。
 経過について市は答弁で「候補地は建設に必要な広さのほか、建築基準法上は工場扱いとなることから、建設可能な工業専用地域、工業地域、準工業地域か、各学校への配送距離、幹線道路への接続など総合的に検討して決定した」「今年5月になって地元役員から候補地はおか砂利を採取したと初めて聞き、須坂建設事務所に確認したところ、平成6年の採取地との報告を受けた」とした。
 石合議員は「何が出てきたのか」と質問。市は「掘削場所からタイヤ1本、木材数本、コンクリート片が確認された。おか砂利採取から18年が経過し、詳細は不明。だが、支持地盤として十分な地耐力があれば建設は可能なことから、候補地での建設が可能か、地盤の状況を調査するため、今回補正予算に候補地全域の電気探査とボーリング調査1カ所、土壌調査1カ所分の調査費600万円を計上した」と述べた。
 石合議員は「一般に砂利採取地の地盤は強固にはならない。重量構造物を建てるので砂利採取地を選ぶのはおかしいのではないか」とただした。
 市は「さまざまな要素から適地と判断した。安全性を判断するため調査をお願いしたい」とした。
 一方、4人が質問した富士通須坂工場のP
CB問題で、佐藤寿三郎議員の「下請け工場としてPCBの製品製造に携わった企業の把握は」に、市は「当時(使用期間は昭和31年〜39年)の下請け、協力工場について、富士通須坂工場では履歴はなく、企業は把握できていないとのこと。市も把握していない。PCBの保管事業所は、ポリ塩化ビフェニール廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法により県が把握している」とした。
 佐藤議員は「市が独自に調査するなり、市民のためを思ってアクティブに動いているのか」と市の姿勢を指摘した。
 市は「地下水等経由の摂取リスクと直接摂取リスクとがあり、根拠法の土壌汚染対策法は、土壌汚染があっても摂取経路が遮断され、きちんと健康リスクの管理ができていれば、健康に問題はないとの趣旨。市は所管の県と連携して一生懸命対応したい」とした。
 また、土谷フミエ議員は、今日までの文化財保存活用事業の総括と今後の計画で「市民の理解と納得が得られる事業になっているか」とただした。
 市は「土地取得や改修の費用は、しらふじ約1億3,000万円、旧越家住宅約1億2,000万円、まゆぐら約1億6,000万円、クラシック美術館約1億3,000万円、旧牧邸(観光交流センター)約6,000万円。これまでの維持管理費は5施設合わせて約3億5,900万円。23年度の入館者数は5施設合わせて47,399人。蔵の町並み全体では73,000人」
 「これらは須坂の歴史や文化を後世へ伝える大変貴重な建物で、失ってしまえば再建は不可能な市民の財産でもある。町並みの景観を構成する重要な建物が保存活用されることは、住民、市民の誇りや愛着につながる。地域の歴史や文化の継承は今を生きる私たちの責務で、経済的な費用対効果だけでは論じ得ない」とした。

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