2012-08-04 07:00 am by 須坂新聞
富士通須坂工場(穀町)の地下水から環境基準では「検出されないこと」とされるPCB(ポリ塩化ビフェニール)が検出されたことについて、須坂市は先月30日、第2回環境審議会(小林道男会長、13人)を保健センターで開き、経過を説明した。同社が今後敷地外への拡散防止対策として地下水をくみ上げ、PCBを除去して下水道へ流す水処理に必要な新設井戸2カ所の掘削許可申請を審議し、了承した。
市水資源保全条例15条1項に基づく井戸掘削の許可。条例は一定規模(動力による揚水機の吐出口の断面積が6平方センチ以上か、揚水機の定格出力が0.41kw以上または2.40馬力以上)の井戸の掘削者に対して市長の許可を義務付けている。また、同時に、市が運営する水道事業に支障がない▽他の既設井戸との距離(1km以上)▽1日の揚水量(500立方メートル未満)―など許可要件に適合すると認める場合、許可となる。
一方、許可要件には適用除外規定があり、審議会の意見を聴いて許可するとし、今回は他への影響がないと判断して了承した。
委員は9人が出席。富士通は先ごろの地元3町(穀町、上町、常盤町)説明会で明らかにしたように汚染源は「現在操業中の工場内東側建屋(昭和60年完成、1階床面積715平方メートル)の下、またはその周囲の可能性が高い」との判断から、工場内東側中央と敷地境界で最も高い値を出した上流側に新たに井戸を設けて1日当たり最大79.2立方メートルをくみ上げる計画。
許可権者の市は、新設井戸と既設井戸の1日当たりの揚水量を既設井戸の許可揚水量の範囲(既設届け出使用量2,723立方メートル)とする条件も決めた。
同社の3町説明会では、地下水が向かう側の敷地外2カ所(須坂小敷地内に今後新設する井戸と須坂東高校の既設井戸)で地下水を採水してモニタリングを強化する。また、遮水壁による封じ込め、地中への浄化壁設置などを検討し、11月からステップ2の対策を行うとしている。
2012-08-04 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント
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