2012-05-12 07:00 am by 須坂新聞
須坂市で発見され、新品種に認定される黄緑桜「ソノサトキザクラ(園里黄桜)」と緑桜「ソノサトリョクリュウ(園里緑龍)」の開花に合わせて5日、大阪市立大学大学院理学研究科(大阪府交野市)の研究者2人が須坂市を訪れた。2品種を栽培する羽生田郁雄さん(豊丘上町)に会い、遺伝子解析のための実物採取や形態調査など行った。枝変わり突然変異で生まれ、緑色の花をつける2品種の誕生の仕組みなど研究の成果が期待される。
訪れたのは、尾山恵利子さん(大学院2回生)と講師の植松千代美さん(農学博士)。
ウコン(鬱金)ギョイコウ(御衣黄)シンニシキ(新錦)と緑色の花をつける桜3品種の特徴と関係については、尾山さんが2010年度大学卒業論文で明らかにしている。その後、須坂市ホームページで羽生田さんを知り、調査に入った。
尾山さんによると、一般に知られるウコンやギョイコウに比べ、シンニシキは同大学理学部付属植物園に保存される1個体だけと考えられる。DNA解析の結果、3品種は互いに近縁で枝変わり突然変異で生じたものと考えられるという。
また、花弁表面には本来葉に分布する気孔やクロロフィル(葉緑素)が存在。特にシンニシキの緑の斑(ふ)に多かった。花の葉化は形態形成に異常が生じた結果とみている。
植松講師は「3品種の16カ所のマーカー(目印)では遺伝情報が一致した。形態の違いなども尾山さんが明らかにした。遺伝情報は長い巻物で須坂の2品種を加え、品種間の違いなど明らかにしたい」と話す。
羽生田さんは本紙に「須坂の2品種の存在が全国に響き渡っていて、桜の研究者には大事な場所と認められてきた」と応えた。
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