富士通須坂工場敷地内〜地下水からPCB検出を公表

2012-03-10 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 富士通(東京)は1日、須坂工場(穀町)の敷地内に9カ所ある地下水観測井戸の1カ所から環境基準では「検出されないこと」とされるPCB(ポリ塩化ビフェニール)を1ℓ当たり0.0015㎎検出したと発表した。同日、近隣3町区(穀町、上町、常盤町)の450世帯に説明資料を配布した。県と市には先月17日に報告した。2日、市議会で永井康彦議員が緊急質問し、市は今後の対応などを説明した。
 同社は過去に汚染が確認された土壌の浄化対策工事を平成19年から昨年まで実施した。工事後の昨年6月からは3カ月に1回、地下水を自主的に定期確認しているが、6月、9月は、PCBをはじめ環境基準を超える有害物質は検出されなかった。だが、12月にPCBだけ1ℓ当たり0.0014㎎検出された。今年1月に再度調べ、0.0015㎎検出されたという。
 過去には、平成19年3月の同社発表時に同じ観測井戸の地下水から0.0012㎎検出され、トリクロロエチレンや水銀、鉛など有害物質に汚染された敷地内土壌の一連の除去工事を行ってきた。
 PCBは「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」で昭和48年に製造・使用が禁止された物質。
 同社によると、昭和31年から39年まで、送電ロスを抑制するための電気製品の、進相コンデンサーの絶縁油として使用された。不良品を地中に埋めての処理が推測されている。
 汚染原因について、同社は「現在操業中の既存建屋(1階床面積8,600㎡)の下からの影響が推察される」とみている。
 また、工場敷地外への影響について、地下水の流向の下流側に位置する観測井戸(敷地内境界4カ所)からはPCBが検出されないことから、同社は「現時点では敷地外への流出の可能性は極めて低いと判断する」とする。
 今後は、地下水の流向の下流側に位置する観測井戸(敷地内境界4カ所)と今回検出した1カ所の計5カ所を毎月定期確認とし、監視を強化する。また、結果を須坂市、長野県へ毎月報告する。
 なお、平成22年3月31日からテナントとして操業する太陽誘電モバイルテクノロジープロダクツはPCBを使用していない。
 市は2日の市議会緊急質問の答弁で「同社は土壌汚染対策法等の責任官庁の県の指導に対応するとのこと。近隣の水道水源の水質検査は、市水道局が1日に南原水源(約1,000m上流)小山水源(約700m)相森水源(約1,000m下流)の地下水を採取して長野市薬剤師会へ依頼した。3カ所は渇水期に使用し、現在取水はしていない」
 「県は近隣の井戸3カ所(須坂病院、須坂東高校、須坂ショッピングセンター)の地下水の水質検査を行うとしている」
 「市民の安全安心の観点から市は市民の相談に対応する。県や同社と連携を密に測定数値等の周知などでサポートする」と述べた。
 8日、市は3カ所の水道水源からPCBは不検出と公表した。

2012-03-10 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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