2011-11-27 07:00 am by 須坂新聞
須坂市文化振興事業団は23日、須坂市文化会館メセナホールの開館20年記念イベントとして「20年目の第九演奏会」を同ホールで開き、小学生から70代まで250人からなる市民合唱団が、ベートーベン作曲「交響曲第九番」の大迫力の合唱を披露、須坂の文化を内外に発信すると共に、大きな感動が満席のホールいっぱいを包み込み、カーテンコールが何度も続いた。
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同ホールは1991年11月23日に開館、こけら落としイベントとして、約350人の市民合唱団(うち50人は姉妹都市三浦市から応援)による第九演奏会を開いた。20年後の今回は「原点に戻り、長年支えていただいた皆さんに感謝の気持ちを伝え、新たな一歩をしるそう」と記念事業の目玉として企画した。
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同事業団が約200人をめどに市民合唱団の募集を開始したところ、「20年前も歌った。あの感動をもう一度味わいたい」という人や「親子で一緒に歌いたい」という人など北信一帯から申し込みが殺到し、当初の目標を大幅に上回る人たちが集まった。
初練習は2月19日に実施、9月までは月2回ペース、10・11月は回数を増やし、通算で20回以上練習、年齢や経験も異なる人たちが結束を高めていった。
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そして、当日。ソプラノ62人、アルト115人、テノール29人、バス44人の市民合唱団は、京都市交響楽団常任指揮者広上淳一さんの指揮、バイオリン奏者村石達哉さん(須坂市常盤町、武蔵野音楽大卒〜ベルリン芸術大卒)がコンサートマスターを務めるメセナホール祝典オーケストラ(弦楽器44人、管打楽器25人)の演奏に合わせて、いずれも県内出身のソリスト4人(ソプラノ徳武雪子さん、メゾ・ソプラノ永井和子さん、テノール上原正敏さん、バリトン太田直樹さん)と共に、ベートーベン作曲「交響曲第九番ニ短調・作品125合唱付」を声高らかに歌い上げた。
同オーケストラには須坂市南原町出身のホルン奏者水野信行さん(東京音楽大教授)や須坂市旭ケ丘町出身のチェロ奏者宮澤等さん(国立音楽大付属高校講師)らが名を連ね、市内外の演奏家もサポート。皆が思いを一つにした演奏に、臨時のいす席を用意して約1,000人で埋め尽くされた会場から大きな拍手と歓声が送られた。
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須坂市坂田町の神林明夫さんと玲子さん夫妻は、常盤町に住む次女の長岡久仁子さんと孫の可紗さん(須坂小4年)の3世代4人で晴れの舞台に立った。
夫妻は「20年前にも歌わせてもらった。20年の間に娘2人が嫁ぎ、孫も5人生まれた。こうして3世代で歌うことができて、本当に幸せ。20年間の思いをかみしめながら、心を込めて歌いました」と感慨もひとしおの様子。
合唱団の中には感激の涙を流しながら歌う人の姿もあり、観客のアンケートにも「自然に涙が出てきた。感動をありがとう」などの感想が綴られていた。
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また、コンサートマスターと共に合唱指導の総責任者も務めた村石達哉さんは「素晴らしいの一言。皆で努力してがんばった甲斐があって、最高の合唱が披露できた。バイオリンを弾きながら感動していました」と市民合唱団を讃えた。
打ち上げパーティーでは、広上さんが「皆さんと出会えてよかった。メセナホールには初めて来たが、クオリティーが高い。ホールは生き物、使うことでどんどんよくなる。毎日音を壁にぶつけることが大切。地域の皆さんに大いに利用してもらい、音楽文化を高めていってほしい」とエールを送った。
2011-11-27 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント
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