最終処分場建設問題〜区の意思決定は現状通り

2011-09-10 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 長野広域連合が一般廃棄物最終処分場建設候補地の地元区として協議中の仁礼町区(中山祝次区長)は先月、「区役員・組幹事会」を開き、7月に区民有志の会が須坂市に提出した「候補地撤回の嘆願書」の中で指摘した区の意思決定の在り方を確認した。2日、区長・区長代理・組幹事の4人が仁礼会館で記者会見し「区の運営はこれまで通り行っていきたい」と語った。先月31日、組幹事が各11組での総会の意向や意思決定を報告し、現体制での区の運営継続の方針を確認した。
 区長らの説明によると、7月19日、同町区民でつくる「最終処分場建設反対の会(鮎川水系を考える)」が市へ提出した候補地撤回の嘆願書に添えられた反対署名(仁礼区1,106人分)の真意を各組で区民に確認した。
 また、嘆願書に記された撤回の理由5「候補地の調査と受け入れの可否が区役員・組幹事会、検討会(区長の諮問に基づく一般廃棄物最終処分場を考える検討会)だけで行う構図であり、ごく少数区民の意見で、大多数の区民の意思ではない。そのために署名活動をし、多くの反対署名を頂いた」の真意を各組で区民に確認した。
 8月1日、7日の区役員・組幹事会で協議の上、7日、区長が組幹事に「区役員・組幹事会の構成、決議権確認のお願い」を依頼。「署名者は戸数の75%、住民の60%」(嘆願書提出者)とされる区民の真意を探った。
 中山区長は記者会見で「嘆願書には区のやり方がよくないと付け加えてあり、区民が嘆願書の内容を承知の上で署名したとなれば区役員と組幹事は拒否されたことになり、今後区の行事や運営はやっていけないことになるので、区民の皆さんの真意を確認するために各組幹事を通して意向を確かめた。先月31日に区役員・組幹事会を開いた。その結果、そんなことは知らなかったとの区民の意見がだいぶあり、行事や運営は今まで通り区役員・組幹事会が行うことに決まった」と述べた。
 組幹事の一人は「署名時点で嘆願書の撤回の理由5(意思決定の指摘)を区民が承知していたか、分からないので組で聞いた。その結果、今まで通り運営してくれとの結論に達した」と説明した。
 区長はさらに「エコパークはボーリング調査が終わり、今のところまだ結論は出ていないが、これからも検討していかなければならない課題。今の段階では右も左も決まっていない。区長がすでに決めてしまったと指摘されるが、そんなことはない。誤解のないように」と強調した。
 区役員・組幹事会は同区の最高意思決定機関。記者会見では区の行事や運営の正常化が図られたとするが、候補地撤回の嘆願書が指摘する最終処分場を考える検討会(区長諮問機関)の在り方を含む手順・流れ(フローチャート)については「改善の余地がある」との見解を示した。
 また、「公平な決め方をするには区民が処分場を十分認識した上で判断しないといけない。区役員・組幹事への信頼が前提だが、民意の吸い上げ方は今後検討していく」と柔軟な姿勢も示した。

2011-09-10 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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