どうなる屋代線の代替交通②

2011-09-03 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon■松代住民協議会「ディーゼル車運行を」鉄路を活用して

 長野市松代地区住民自治協議会は29日、松代文化ホールで「屋代線鉄路を考える住民の集い」を開いた。来年3月に廃止される屋代線に替わり現在検討しているバス運行は定時性や輸送能力などに問題があると指摘し、屋代線廃止後の鉄路を活用してディーゼル車を走らせることを提案。今後、沿線住民などの協力を得ながら実現性を探る考えを示した。
 同自治協では、バス運行の問題点として、関崎橋一帯などの渋滞による運行時間の遅れや国道403号の岩野など道幅が狭い場所でのバスのすれ違いが困難なこと、バス代替運行による渋滞の悪化、予想されるバス運賃の段階的な値上げのほか、バス代替運行は現在の屋代線利用者数の4割程度の見込みで検討されていることなどを挙げて「いずれはバス運行も行き詰まって廃止される可能性が高い」と指摘した。
 同地区有志が鉄道会社の元社員らとディーゼル車運行を検討。車両4両の購入やレール交換などの初期投資に3億9,000万円程度を見込むが、年間赤字はバス代替と同等の約7,000万円とし、定時性や安全性、輸送能力などの面からバスよりも有利と報告した。
 屋代線の施設や整備を沿線3市が長野電鉄から無償譲渡してもらい、県を含めて、第三セクターで運行。利便性向上や観光列車などの各種イベント開催、サポーター制度の導入、オリジナル商品の販売などを行って、経営改善、収入確保を図る。地元も費用などの負担、協力が必要―などと説明した。
 中島嘉一郎会長は「先人が大変苦労して設けた屋代線を1、2年の議論で廃線と決めて『しょうがない』と諦めるのはまずい」と呼びかけた。
 沿線住民約300人が出席し、「木島線の代替バスは利用者が大きく減っていると聞いている。バスは先が見込めない」「文化、歴史的な要素を加味して活動していけば行政も動くのでは」「廃止後に線路が草やぶになるのは辛い。廃止になったらおしまい」など、ディーゼル車に賛同する意見が相次いだ。
 同自治協では今後、住民の意見を聞きながら、早急に具体的な進め方を検討したいとしている。

2011-09-03 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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