【宇原川56災害から30年】大災害伝え、平穏な里に〜仁礼区が慰霊祭

2011-08-27 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市仁礼町区(中山祝次区長)は23日、宇原川56災害慰霊祭を同町西原の災害復旧記念碑前で行った。遺族や区民、来賓ら約70人が雨の中を参列した。増沢秀誉高顕寺(仁礼町)住職の慰霊法要の後、参列者が順次焼香し、遺族は3人が行った。消防団員で出動中に土石流に襲われた殉難者篠塚忠志さん(享年27歳)の父義太郎さんは「30年はあっという間。子を思い出してお参りした。生きている間には思いがけないことがある。災害はいつ起きるか分からない」と語った。今も悲しみは残る。
 昭和56年8月23日未明、台風15号が山岳地帯にもたらした集中豪雨(峰の原で22日午前9時〜23日午前9時の日雨量217㎜)により、仁礼山ロットの沢上流付近の土砂崩落が土石流となり、宇原川沿岸を濁流が襲った。10人の尊い人命を奪い、仙仁川、鮎川沿岸を荒土と化し、家屋や農林業などに大きな被害を与え、言語を絶する大惨事となった。
 来賓で三木市長は「10人のご冥福をお祈りし、心からお悔やみを申し上げる。30年間地域で営まれ、後世に引き継ぐことは大切なこと。重い思いを受け止め、市も安全安心な地域づくりに力を合わせて努力したい」。
 村石正郎県議会議長は「想像を絶する山津波で自然は計り知れないと東日本大震災でもあらためて感じた。安心安全な地域づくりに災害を忘れてはならない」とあいさつした。
 中山区長は「30年の節目に大勢ご参列を賜った。大災害を後世に残していくことはわれわれの義務で殉難者の霊を慰めることは区民の務め。二度と起きないよう行政のご協力を賜って災害の心配のない仁礼の里をつくりたい」とあいさつした。

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