県が提案〜国道403号を付け替え

2011-08-06 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 県は7月29日、小布施町の国道403号の新しい道づくりを検討する会議で、403号を今の町中心部でなく他に付け替えるバイパス計画を提案した。詳細は不明だが、須坂建設事務所の担当は「今の国道機能を他に転換したい。中長期構想として広域市町村で協議したい」と明かした。
 県は、小布施町が専門家や沿道住民らでつくる国道403号整備デザイン会議(座長=川向正人東京理科大・小布施町まちづくり研究所長)で「403号を人と車が共存する道に。理想は50年前の谷街道」と議論していることを受け、403号の管理者として「国道としての広域的な自動車交通の確保が担保できない」と判断した。
 国道が県道や町道になれば、広域幹線道路としての制約がはずれる。地方自治体の思い描く理想の道づくりが可能になる、というのが県の考えだ。
 デザイン会議は403号のコミュニティ道路化や一方通行化なども議論している。車道を狭めて歩道を広げるアイデアもある。そのため、県の提案を肯定的に捉える会員は少なくない。
 市村良三町長も会議で「これでかなりの呪縛が取れる」とバイパス計画を評価した。ただし、「バイパスが何年後にできるという担保が必要」と求めた。
 会員から「中長期とはいつ」と質問があり県担当者は「一般論だと10年や20年」と答えた。「広域農道と高速道測道のどっちをバイパスに使うのか」の質問には「これから検討する。交通機能の分散か新たにかは分からない」にとどめた。
 会員で町議の渡辺建次さんのように「町民が一方通行とかバイパスの必要性を感じているのか。現状でできることをやるのが妥当」との意見もある。
 小布施町の403号は歩行者の安全確保が差し迫った課題になっているが、将来像が定まっていない中でどんな整備を進めるのか、調整が難航しそう。
 デザイン会議は、短期的には403号沿道の上町の住民から要望のあった歩行者の安全対策を検討する。中長期的には403号の将来像を検討する方向。
 町は今年度、沿道地権者と協議し、どんな歩道整備ができるのか見通す考え。電線地中化の用地が確保できるのかも調べる計画。
 403号は昭和56年に松川橋から伊勢町跨線橋まで約2kmが計画幅員16mの都市計画道路に決定されたが、事業がほとんど進んでいない。現在の道幅は約8m。その中に1mに満たない波打った歩道が左右に付いている。昨年、計画幅員12m案を出した経緯がある。

2011-08-06 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



須坂新聞


 須坂新聞はタブロイド判(20P~24P)で毎週土曜発行(年間48回)長野県須高地域(須坂市・小布施町・高山村・長野市若穂地区)で購読をいただいております。また配達地域外でも郵送にてご購読いただけます。購読料は1100円(月額/税込)です。購読お申し込みはこちらから。