2011-07-30 07:00 am by 須坂新聞
県立須坂病院は、信州大学高速高信頼ネットワークを活用して県立こども病院との間で相互に電子カルテの診療録等を参照しながら医師が診療を行うことができる「地域医療連携システム」を構築した。21日、診療開始に先立って南棟小児科入り口で関係者によるオープニングセレモニーを行った。電子カルテを導入した2病院間での稼働だが、9月以降は信大病院が参加し、その後、県内病院等が参加していく。
大学病院と県立病院の連携は全国初。信大病院が県内医療機関等と医療情報をやりとりする構想と、地方独立行政法人に移行した県立5病院の情報共有化(中期計画)の方向が合致し、昨年9月と今年5月に電子カルテを導入したこども、須坂の両病院間でシステムが稼働した。
須坂病院では、こども病院にかかっていた患者の電子カルテを見ながら診察ができる。また、こども病院の医師が須坂病院の電子カルテを見ながら診察ができる。
ただし、個人情報を扱うため、患者本人がカルテ参照について同意する必要があり、同意がなければ医師への公開はされない。
また、指定された医師の参照にはすべてアクセスログが残る。
今後は信大病院が構築する「信州メディカルネット中継センター(仮称)」を介して、県内の診療所等でも電子カルテの診療録等を参照できる仕組み。
稼働にあたり、県立病院機構の勝山努理事長は「電子カルテを導入したこども、須坂の2病院間で患者利便性が高まり、医療資源の活用が進む。セキュリティーの高いシステムで歴史的一歩を歩む」と述べた。
来賓の加藤さゆり副知事は「安全で質の高い医療が責務。電子カルテの相互利用は全国的にも画期的で、モデルを全国に発信できる」。また、天野直二信大病院長は「カルテが正確に交換され、質が高まり、スムーズな連携が図られる。今後は当たり前になっていくが、患者や患者のプライバシーを大切に考えたい」と述べた。
一方、斉藤博須坂病院長は取材に「地域医療のレベルを上げたり、リアルタイムで過去の記録が分かり、診療に役立つ。難しい病気にも活用できる。県を越えて日本中につながることが期待され、近くから遠くまで連携できる第一歩で、責任も大きい」と述べた。
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