園児の応援ソング、大船渡に届く

2011-06-12 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂双葉幼稚園をことし3月に卒園した元さくら組(21人、木下真由美先生)が、東日本大震災で被災した人たちに元気を送ろうと、卒園式前日に録音した歌声が先月29日午前、ミニFM局「おおふなとさいがいエフエム」で放送された。岩手県大船渡市出身で本年度同園保護者会長の大峡桂子さん(望岳台)が、帰省の際に録音テープを持参、FM局での放送につながった。
 3月11日の大震災直後、園は各家庭に義援金の協力を呼び掛けた。それを知った園児たちは「ぼくたちにはお金がないけど、歌うことはできるよ」と先生に訴えたという。そうした思いを形にしようと、園児が大好きでよく歌っていたゆずの「スマイル」をカセットテープに録音。その時はまだ被災地へ届ける手だてはなく、20日の卒園式を迎えた。
 その後、垂沢恵子園長は大峡さんがゴールデンウイーク中に帰省することを知り、録音テープと園児たちの写真、メッセージを託した。大峡さんは避難所でセンター長を務める親戚の男性に手渡し、さらに大船渡市役所内の放送スタジオに届けられた。それから1カ月後、木下先生のピアノに合わせ「泪をふいて 空を見上げて 君の微笑みが 世界を変えるスマイル…」(ゆず/スマイル)と、力いっぱい歌う園児たちの声がラジオから流れた。
 被災者数人で運営する同局のスタッフ、佐藤健さん、久美子さん夫妻は「園児たちの元気な歌声からは、一生懸命な姿や笑顔が想像でき、いろんな思いも込み上げて、アナウンスしながら感極まってしまった。被災地はまだ、体育館も校庭も使えず、子どもたちの遊ぶ姿はない。しかし、放送を聞いた住民から、やっぱり子どもの声や笑顔は大人も元気が出る、という声が届いた」と話していた。
 大峡さんの実家も津波にのまれ、仮設住宅住まい。帰省しても長くとどまることはなかったが「テープを無事に届けることができてほっとしました」。また垂沢園長や木下先生も、大峡さんの母親が送ってくれた放送内容のCDを改めて聞き「胸がいっぱい。歌が大好きだったさくら組の歌声が被災地に届いたことを、一年生になった子どもたちに報告したい」と話した。
 同園ホームページのトップページ「メニュー」にある「届け僕たちの歌声」で放送の録音を聞くことができる。

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