【長野電鉄屋代線存続問題】「時期尚早」結論出ず

2010-12-04 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 経営難にある長野電鉄屋代線(須坂駅〜屋代駅)の活性化や再生に取り組んでいる長野電鉄活性化協議会は25日、長野市役所で10回目の会議を開いた。7〜9月に行った増便などの実証実験やアンケート結果などを踏まえて、バス代替運行など今後の運営形態を協議したが、委員から「時期尚早」など慎重な論議を求める声が多く、結論は出なかった。
 同協議会では活性化や持続可能な仕組みづくりのための「総合連携計画」を策定し、3年計画で今年度から各種事業を始めた。今年度は実証実験として電車の増便や無料駐車場の整備、サイクルトレインの運行、最終便の繰り下げなどを行い、利用者数が前年同月比で約1割増加した。
 アンケートでは屋代線を「利用している」と答えた沿線住民が約23%。存続については「維持すべき」が沿線約39%、沿線外約29%、「困難であればバスなどの運行でよい」が沿線約51%、沿線外約59%だった。
 合わせて、事務局が電車とバスの運行の費用対効果などのデータを示して、バス代替が優位と説明した。
 会議では運営形態について①総合連携計画を見直して引き続き実証実験を実施②屋代線を一時休止してバスによる代替運行③屋代線を廃止してバスによる代替運行―の3案が示された。
 若穂地区住民自治協議会の星沢重幸会長は「なぜ短い期間で結論を出すのか。連携計画の取り組みを始めてまだ短く、住民は十分に理解できていない。その中でアンケートをしても意味ない。引き続きいろいろな事業を行って利用者数を増やしたい」。ほかの委員も現状での存続は厳しいとの認識を示しつつも「どの案にするにせよ地域の合意が得られるか疑問」「もう少し時間を」などの意見があった。
 一方で、JR東日本長野支社の荻原郁男企画室長は「このまま長電に赤字を押し付けるのはあってはならない。設備更新の時期も迫っている」。しなの鉄道の山田隆専務は「乗ってもらわなければ話にならない。事業者だけの努力には限界がある」。須坂市の井上副市長は「赤字を3市で負担するには市民の合意を得なければ」。千曲市の滝沢副市長は「屋代線を利用する市民はわずか。市民合意を得るのは至難の業」と述べた。
 ほかに「都市マスタープランの中での地域の位置づけ、その中での鉄道の果たす役割やどういう交通手段が必要なのか示す必要がある。屋代線の役割や必要性が分かりづらい」(柳沢吉保長野高専教授)といった声も。
 長野電鉄の笠原甲一社長は「住民の足の確保を考えれば電車でなければならないのか。バス代替も考えてもらいたい」と述べた。
 同協議会では今年度内に方向性を結論づけたい考えだ。

2010-12-04 07:00 am by 須坂新聞 - 2 コメント



森川 修一 @ 2010-12-08 05:00 pm

私も屋代線実証実験に協力しました。サイクルトレイン・増便乗車等。寂しい感じがしました。須坂の方は屋代
線存続につきましての意欲が見えません。個人としては廃止して、バス転換した方がよいです。

須坂新聞編集部 @ 2010-12-10 10:50 am

森川 修一様

コメントありがとうございます。

須坂新聞


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