全国味噌鑑評会〜須高の4社が入賞

2010-12-04 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 第53回全国味噌(みそ)鑑評会(中央味噌研究所主催)は24日、都内で表彰式を行った。須高の4社が入賞した。「全国味噌工業協同組合連合会会長賞」に塩屋醸造(須坂市新町、上原太郎社長)の「塩屋こうじみそ こし」と糀屋本藤醸造舗(須坂市村石町、本藤浩史社長)の「信州蔵出しみそ」が輝いた。一方、「中央味噌研究所理事長賞」に中村醸造場(須坂市本郷町、中村元保社長)の「北信濃まるゆき味噌」と穀平味噌醸造場(小布施町伊勢町、小山洋史社長)の「穀平吟白」が入った。
 また、全国入賞3回以上に贈られる「優秀技術者表彰」に、塩屋醸造の小林秀久工場長(4回目、同社通算6回)、中村醸造場の鎌田光大(こうだい)製造主任(初、同社通算4回)、穀平味噌醸造場の滝沢一男工場長(2回目、同社通算2回)の3人が輝いた。
 みそ製造者の醸造技術の向上を目的に全国から431点、このうち県内から98点が出品された。最上位の農水大臣賞(6点)と総合食料局局長賞(15点)の21点のうち、県内は8点が入った。須高の4社はそれに続く。
 塩屋醸造の小林工場長は「猛暑の影響を心配したが、いい仕上がりに。多種多様な各地の最高が集まったが、引けを取らない高品質が出せた。昨年から市販品の原料大豆はすべて安曇野産に切り替えた。技術の向上が市販品の向上につながるので原料にこだわって安心安全とおいしさを追究したい」。
 糀屋本藤醸造舗の本藤社長は「全国は優劣の差がはっきりしていた。猛暑の中、普段以上に手をかけ、温度管理をし、審査日までの調整がうまくいった。新設備が軌道に乗り、課題も見え、試行錯誤してきた技術を基に上位を競える安定した物を今後も出していきたい」。先ごろの県品評会では初の県内一(最優秀賞)を受賞した。
 中村醸造場の中村社長は「醸造期間の中で猛暑は影響が大きかった。発酵が進むなど微生物の活発な動きが良かったのか、悪かったのか、今夏は若い技術者にとっても勉強になった。お客さまの期待に応えることができ、責任を果たせた」。
 穀平味噌醸造場の小山社長は「みその消費量は全国的に低迷し、欧米化の影響か、若い人の食卓ではみそ汁が出なくなり、大きな問題と心配している。おいしいと思ってもらえる味本位な物を提供しなければいけない。そのためにもPRが大事」と話す。
 小山社長は高水味噌醤油(しょうゆ)工業協同組合の理事長も務める。先ごろ、大手同業者から高水加盟社の品質の高いみそを使って新たな製品開発ができないかとの提案があったという。
 小山理事長は「消費低迷に大手も危機感がある。業界全体で伝統的な食生活へ目が向く取り組みをしていくことが求められる。信州みそは一大ブランド。高水地区が評価されるのは、各社ライバルであり、仲間として仕込み実習などで情報交換しながら、切磋琢磨(せっさたくま)する熱心さがあるため」と説明する。

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