2010-12-04 07:00 am by 須坂新聞
県農業試験場(須坂市)が開発した硬質小麦の新品種ゆめかおりはこのほど種苗登録された。品質は国内トップレベルで、輸入依存のパン用小麦粉の新たな市場を開拓する品種として期待される。
小麦粉の吸水性が高く、パンにすると膨らみも良く、きめ細かくもちもちとした食感が特徴。おいしさを引き出すタンパク質グルテンを適度に含み、国際ブランドとして高評価のカナダ産1CWと同等の製パン性を持つとされる。耐病性と耐倒伏性に優れ、多収量も見込まれ、栽培しやすい利点もある。
県内で作付けされているパン用品種ユメアサヒは倒伏しやすく、栽培農家からは新品種を求める要望が以前からあった。同試験場はそうした声と共に農水省の育種事業を受けて、平成8年から開発に着手した。
ゆめかおりは今秋松本市、上田市方面で約128haで作付け、約520tの収量を見込む。適地は北信越、北関東、東北南部、今回は栃木県と茨城県で認定品種として栽培。10月下旬〜11月中旬に種をまき、6月下旬〜7月中旬に収穫する。
硬質小麦はパンに利用される強力粉の原料。県内はうどんやおやきに利用される中力粉の栽培が80%強、強力粉が20%弱。強力粉の輸入依存は90%以上の状態で、県内の製パン業からは、高品質で安心安全の地場産小麦を求める声は強く、政府も特にパン、中華めん用を推奨している。
同試験場では「ユメアサヒと同等以上の品質で、国際レベルでもひけをとらない。将来的には県内で250haに広め、全国でも普及を図り、パン用小麦の自給率を高めていきたい」と話している。
2010-12-04 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント
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