【最終処分場】旧土取り場〜目視結果を報告

2010-10-02 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 長野広域連合と須坂市は22日と24日、一般廃棄物最終処分場建設候補地の仁礼町で区民に現地確認調査の結果を報告した。去る5月25日、委託を受けた建設技術研究所が旧土取り場と周辺を対象に、目視により①地形②地質の種類と構造③地盤性状④水源と利水の状況⑤湧水や地下水、水路状況―を確認した。調査結果を示し、今後の追加調査としてボーリング調査と水利用ヒアリング調査が必要としたが、両日共に申し入れはしなかった。
 説明会は非公開。出席者は22日が約50人、24日が約90人で延べ140人。区は9月1日現在582世帯、1,834人。区は全戸へ呼びかけた(区長)が、出席率は低かった。
 説明後、質疑応答を行った。出席者が公開を要望した、昨年8月に建設候補地を「大字亀倉字栗毛、左方ほか」
(旧土取り場、仁礼町福沢)に再選定した経過資料は、市エコパーク推進課が1カ月以内(10月下旬まで)に区へ示すと約束した。
 調査結果で長野広域連合は、旧土取り場付近(おおむね半径1㎞内)には法令等で勘案すべき区域や施設がある▽旧土取り場内に滑り面の端部と思われる個所が確認されたが、候補地全体に影響を及ぼす可能性は低く、建設によって地域に防災上の影響を与えることはないと考えられる▽地質や地形、湧水などを目視確認したが、建設課題を十分把握できないので現況を正確に判断するため、さらに調査が必要―とした。
 県「廃棄物処理施設の設置等に係る指針」で事業者が勘案しなければならない事項として、土砂災害(土石流)特別警戒区域(レッドゾーン、開発行為が制限、建築物の構造規制、移転勧告等)▽農用地区域、農地▽河川区域、河川保全区域▽指定文化財―が旧土取り場の外にある。土砂災害警戒区域(イエローゾーン、法規制はなく建物等が建設できる)は旧土取り場にかかる。
 同指針で生活環境の保全に特に配慮する施設等は、仁礼保育園▽仁礼小学校▽西原水源・浄水場・配水池▽湯河原医院―が旧土取り場の外にある。
 ほかに法令等で同施設の設置を規制するものではないが、県設定の山地災害危険地区(災害の未然防止)で旧土取り場上部法面の一部が山腹崩壊危険地区にかかる。農林省の地すべり危険地(対策の必要性等を明らかにする調査)では旧土取り場南側の福沢地区が概定されている。
 候補地は標高600m〜700mの山間部で、傾斜は全体に緩やか。候補地付近の地質は花こう岩が主体。地すべり地形分布図(防災科学技術研究所)によると、候補地より標高の高い所で地滑り形状がいくつか確認されるが、旧土取り場には見当たらない。
 今後の追加調査として、旧土取り場内の地質や地盤を明確にするため、斜面でのボーリング調査と、旧土取り場から浸出する水の流下方向での利用状況の利用者からの聞き取り調査が必要とした。
 出席した区民は建設に賛成や中立の意向を持つものとみられる一方、反対か消極的とみられる人が目立った。
 調査費用についての質問で、長野広域連合は328万円余(契約額)とし、現在報告書を作成中と答えた。
 現行計画は平成26年度の稼働を目標にするが、長野広域連合によると、本年度中に「長野広域連合ごみ処理広域化基本計画」(平成21年2月策定)の見直しをするとしている。

2010-10-02 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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