土地改良事業助成を要望〜日滝原・河東・小布施の3土地改良区

2010-07-10 11:29 am by 須坂新聞

農業 icon 日滝原・河東・小布施の3土地改良区はこのほど、畑地・水田かんがい事業費の助成を求める要望書を須高3市町村長と議長に手渡した=写真。その背景は、政権交代で土地改良事業に活用できる農水省・農業農村整備予算が前年比で63%削減となり、各改良区に対する今年度の助成がなくなったため。新設の農山漁村地域交付金が市町村に割り与えられるため、各改良区は「農業の基盤である土地改良事業が停滞することがないよう、できるだけ補助してほしい」と要望した。
 日滝原土地改良区はリンゴ、ブドウを中心とした果樹地帯。規模は組合員約1,500人、農地約560ha。同改良区は農地を散水するスプリンクラー(写真)の更新費用を要求している。
 スプリンクラーは昭和45年から設置を始め、現在約11,000個となった。数年前から老朽化したスプリンクラーを順次更新。昨年も農業農村整備予算から300万円の補助を受け、自己資金と合わせた600万円で800台を更新した。ことしは同予算の大幅削減で補助が打ち切られた。北沢正啓理事長は「10年単位の継続事業が政府の方針転換で維持できなくなる。新たな交付金を土地改良に活用できるようにしてほしい」と話す。
 一方、県単独事業はことしも継続され、パイプラインの整水弁・空気弁の更新に活用されている。
 小布施土地改良区は水田274ha、果樹を中心とした畑161haの計435haの規模で組合員1,102人。昨年は揚水ポンプの修理で農業農村整備予算から約300万円の補助を受けたが、ことしは補助がなかった。同改良区は、水田では第2揚水場送水管、畑ではかんがい送水管の補修を必要としており、「新設の農山漁村地域交付金に期待したい」としている。
 河東土地改良区は水田約600ha、組合員約1,950の規模。国の減反政策の影響で一部は果樹に。川瀬川、権五郎川の河川管理などを実施。課題は綿内揚水機・取入口の改修。同改良区は「大規模な事業だけに、農業農村整備予算、農山漁村地域交付金などで協力して」としている。
 土地改良事業はかんがい排水やほ場整備など、農業農村の維持・発展、食料自給率の向上、資産の維持形成を図る上で不可欠な社会基盤整備とされる。だが土地改良区は組合員の高齢化や農産物価格の低下、荒廃農地の増加などで、財政は年々逼迫している。 
 なお、今年度の農業農村整備予算は、新政策の「戸別所得補償制度モデル対策」予算をねん出するため、63%減の2,129億円。
 その一方、総合的な整備を推進する農山漁村地域交付金を創設。農業農村整備予算が土地改良区に直接補助するのに対して、同交付金は県経由で各市町村に割り振られる。


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