【森のわっこ】山の木の循環考える拠点開設

2010-06-26 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 建築士や大工、グラフィックデザイナー、イラストレーター、パッチワーク作家、アクセサリーデザイナーの9人が昨年秋、身近な森林資源の循環や森と人のかかわりを考える集団「森のわっこ」を立ち上げた。活動拠点として須坂市中町の伝統的町家を所有者から借り、各人のアトリエのほか、1階には森のわっこの情報を発信するショップ部門「ヤンネ」を開店。メンバーらのオリジナル作品や生活雑貨を展示販売している=写真は21日。
 9人は30代と40代。建築チーム部長の中沢毅さん(長野市)は「県産材の活用から入り、いろんな活動をしてきた。同業者は商売が絡むが、このチームは絡まない。山はすぐ裏にあり、自分の家にもあるのに知らない、今では遠い存在。間伐してみて手が入っていないことを知る。まずは山や森林に関心をもってもらい、具体的な活動はそれから」と話す。
 一方、クリエーターズユニット「nana―t」(ナナット)で以前から活動する5人と、そのほかの関係者が制作したTシャツや手ぬぐい袋、ポーチ、ハンカチ、風呂敷、文具、漫画、陶芸、リング、ブレスレットなどを店内にそろえる。
 ヤンネ代表のアオキタカエさんは「作り手が見え、ものづくりを身近に楽しく感じてほしい」と話す。26日午後2時〜5時は体験教室を開く。開店は金土日午後。来月25日は森のわっこお披露目会で森林に関する話や獅子舞、ワークショップなど計画する。☎026-285-0183(ヤンネ、森のわっこ共通)。
 関係者でもある建物所有者の一人は取材に「一昨年、信大学生の蔵の町並みキャンパスで授業に使われたことが縁で注目されるが、蚕室もあり特徴的な明治の製糸家の町家。道路工事にかかるがそれまで活用し、いい方向が見いだせればと期待している」と話す。
 空き店舗を活用した新たな情報発信の動きが出始めているが、市商業観光課は「若い人の間で人気が出てきている。補助制度(わざわざ店開設支援事業補助金)もあり、まちなかのにぎわい創出につながれば」と話す。
 市が平成5年度から実施した街なみ環境整備事業は21年度で終了したが、修理修景した建築物等は194件に上る。昭和63年度から平成2年度にかけて日本ナショナルトラストや市教委が調査した「信州須坂の町並み調査報告書」(大河直躬団長)から20年が経過し、市まちづくり課は今月から半年かけて対象となった建物375軒で聞き取りによる現況調査を開始した。
 今後の保存の在り方や活用の仕方の基本資料となる調査だが、貸店舗への活用などデータ収集も行っていく。

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