【長電屋代線】今夏、乗客増へ実証実験

2010-04-04 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市や市区長会、市観光協会が参加する長野電鉄活性化協議会(会長・酒井登長野市副市長、委員27人)は先ごろ、長野市役所で第6回法定協議会を開いた。単独経営が困難な屋代線の存続に向け、22年度から3年間取り組む「総合連携計画」を決めた。今年7月〜9月の3カ月間、現有施設での増便や昼間のサイクルトレイン(自転車の車内持ち込み)などで実証実験を行い、その後、活性化策を評価検討する。
 4月10日午後1時半から井上地域公民館で「屋代線の現状と課題についての説明会」(長野電鉄主催)を開く。一方、7月上旬には須坂駅前シルキーホールで協議会主催のシンポジウムを行う。
 屋代線の抜本的再生を図る連携計画は、①日常の生活行動で抵抗なく使えるサービス水準の向上②屋代線を活用した人の動きの創出③地域が一体となった鉄道を支える仕組みづくり④新たな運営形態への移行の検討―を基本方針に挙げる。
 大正11年に河東鉄道で開業し、同15年に長野電鉄と合併した屋代線(屋代―須坂13駅、24.4㎞)は、昭和40年度に約330万人を輸送し、営業係数83円(100円得るに要する費用)の黒字だった。だが、マイカーの伸展などで平成19年度は約48万人、営業係数277円の赤字に。累積赤字は50億円超。今後10年間で約27億円の赤字が見込まれ、車両更新や変電所などで31億円が必要とされる。
 短期目標として、現状(平成20年度)の年間利用者47万人を24年度60万人(13万人、27%増)とする。これは沿線約21,000世帯のうち、家族の誰か一人が年間約6回(片道)利用すれば達成できる。なお、経常収支の黒字化には現状の3倍の約130万人の利用が必要。
 実証実験の分析や市民意向調査を踏まえ、上下分離方式(自治体が鉄路等施設を保有し事業者が運行)や補助金による公的支援など運営の枠組みは今年11月には決定する計画。
 須坂市は新年度予算に協議会負担金857万円余を計上した。素案に対する市民意見募集では須坂市の4人を含む32人から意見や提案があった。実証実験は表の通り。

平成22年度の屋代線実証実験
○運行頻度の増加(現有施設での増便)3往復/日増 電車による7月1カ月間の増便
○同(バスによる増便)大型6台で14往復/日増 バスによる8月〜9月の2カ月間の増便
○パークアンドライド駐車場の整備 7月から看板設置
○サイクルアンドライド駐輪場の整備 7月から看板設置
○昼間時のサイクルトレイン 7月1カ月間
○持参人式通勤定期の販売(家庭や会社での使い回し可能) 7月〜9月 
○最終便の繰り下げ(須坂発松代折り返し1往復増便) 7月1カ月間
○ご意見箱設置 7月から 
○駅、列車内の案内表示の充実、時刻表の配布 6月から 
○長野駅、善光寺等を起点とした屋代線を利用する周遊割引キップ 7月〜9月 
○イベント列車の運行 7月〜9月 
○地域文化を生かした駅舎の改良やイベントの実施 7月から 
○自動車利用観光客向けのパークアンドライドと割引キップ 7月〜9月 
○観光軸の形成に向けた上田、軽井沢、小布施との一体的PR(観光直通列車の復活)7月から 
○割引回数券の販売(沿線家庭や企業へ通常より割り引いて) 利用は7月〜9月 
○住民組織による地域ボランティア活動の促進(美化活動等)7月から 
○学校教育等における活用促進 4月から 
○インターネット等を活用した屋代線情報の提供、広報活動 4月からホームページと6月から 
○パンフレットの配布 6月から

2010-04-04 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



須坂新聞


 須坂新聞はタブロイド判(20P~24P)で毎週土曜発行(年間48回)長野県須高地域(須坂市・小布施町・高山村・長野市若穂地区)で購読をいただいております。また配達地域外でも郵送にてご購読いただけます。購読料は1100円(月額/税込)です。購読お申し込みはこちらから。