「ハイ・サービス日本300選」2人

2009-11-29 10:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon サービス産業のイノベーションや生産性向上に向けた国民運動を展開する「サービス産業生産性協議会」(東京都港区、日本生産性本部内)は、平成19年5月の設立から「ハイ・サービス日本300選」で四半期ごとに25社ほど選んで先進的な取り組み(ベストプラクティス)を表彰している。このほど、第7回で小布施堂・文化事業部(小布施町、市村次夫社長)を、先ごろの第6回で仙仁温泉岩の湯(須坂市、金井辰巳社長)を選んだ。

■市村次夫氏
 小布施堂(文化事業部)は同社取締役のセーラ・マリ・カミングスさん(41)を原動力とする文化事業活動が評価された。特に2001年から毎月1回ぞろ目の日に開いている文化サロン「小布施ッション」を「グループのCSR(企業の社会的責任)の位置づけだが、PR効果は大きく地域ブランドとして高付加価値化に成功している。地方主催の情報発生の場として全国的に注目されている」と評した。
 小布施ッションは毎回の講師が映画監督の大林宣彦さんから三洋電機会長の野中ともよさんまで多彩。脳科学者の茂木健一郎さんや解剖学者の養老孟司さんら有名人も、セーラさんが手紙で熱意を伝えて招いてしまうという。
 この11月11日に100回目を迎え、東京理科大学・小布施町まちづくり研究所の川向正人所長を迎えた。
 市村社長(61)は「栗菓子工場の休憩室にいすや座布団を並べ、100人を限度に講師とすごく近い距離でやっている。個人参加を呼び掛け、一人ひとりがイベントの構成員となる。講師も普通の講演会とは違う独特の乗りで話してくれる。北斎もそうだけど、ここは文化交流の場。今流の文化交流として全国の人の情報交換の場になれば。小布施堂はローカルブランド企業を目指す。地域と運命共同体と思っている」と話す。

■金井辰巳氏
 仙仁温泉岩の湯は、16,000ほどある温泉旅館の中で「日本一予約が取れない温泉旅館」と評される。見る目の厳しい全国各地のリピーターを満足させる高品質の行き届いたサービスを維持し、「個性の結晶(アイデンティティー)を大事に心の落ち着くふるさとの癒やし」(金井社長)を追求する。
 今回は人材育成の観点で受賞した。「経営理念の共有と従業員満足度の向上で高品質な顧客サービスが実現した」と認められた。
 顧客満足と従業員満足の同時達成には困難が伴ったが、金井社長は「土日は忙しいから従業員の家庭生活が破壊されるのは仕方ないのか、との疑問を突き詰め、平日もオフシーズンも年中満室を前提に家庭との調和を図った」。クリスマスイブなど大事な日を家庭で過ごせるよう休館日を年間27日設け、全員が共感し共有できる経営理念を大事にする。
 「昨年のリーマンショック以来、時代の転換期を迎えている。声にならない潜在ニーズを満たし、家族がいい時間を過ごせるよう家族復元の場やふるさとの癒やしをさらに高めて狭まるマーケットに向かいたい」と話す。

2009-11-29 10:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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