【須坂市教委】県内初の市立特別支援学校計画

2009-11-28 09:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 須坂市教育委員会は来年3月までに須坂小学校の余裕教室を特別支援教育に活用するため改修する。27日、12月市議会定例会に約900万円を盛った一般会計補正予算を提案した。来年4月、県長野養護学校(長野市)の小学部分教室を開室し、1年の準備期間を経て平成23年4月には県内初の市立特別支援学校を開校する計画だ。児童の進級に合わせ、その後、中学部も開設し、県教委の高校再編計画で空く市内の校舎を活用して高等部設置も期待している。
 市教委は毎年、市在住児童生徒が通う特別支援学校を訪問し、保護者から直接話を聞いている。「もっと地域の学校と交流し、存在感を示したい」「通うのが大変」との声や、「卒業後の進路は須坂市内に仕事を求めている」ことなど把握し、「地域の子は地域で育てたい」と願う。
 昨年、上高井教育七団体連絡会が県教委へ2度、分教室設置の要望書を提出し、佐久や駒ケ根に設置される県養護学校分教室を視察し検討してきた。今年になって須坂発・特別支援教育を考える会が「須坂に長野養護学校の分教室を」と3月、5月に集会を2回開いて機運を盛り上げた。
 秋には上高井教育七団体連絡会が県教委へ分教室設置を要望し、須坂、小布施、高山3地教委も「分教室設立要望書」を提出。県教委は前向きに検討することを回答。事務局が具体策を話し合い、進展をみている。
 須坂小の改修は南校舎1階のプレイルームを予定する。広さ約50㎡。冷暖房設備やシャワールーム、スロープを設置。ほかにパソコンなど備品、教材費を計上した。
 対象は知的障害児。須高3市町村を中心に受け入れる。市学校教育課は「児童数や教諭の配置は現在調整中。設置要望の多い中学部の早期開設を視野に入れ、市として責任を持って市内16校目の市立学校を開校したい」とする。
 渡辺宣裕教育長は取材に「地域の子は地域で育てる原点を大事に県教委と話し合いをしてきた。県教委から市立学校はどうかとの提案があり、検討した結果、より独自性が発揮できる市立の方が目的に沿うとの結論を得た。須坂小には特別支援学級があり、健常児もいてよりよい教育効果が期待される」。
 また、「須坂市は平成15、16年度から日野小、相森中へ肢体不自由児学級を開設しているが、県内では須坂市のほか1市しかない。中学部も設置し、高校再編で空く校舎へ進学できるよう高等部設置の働きかけもしていきたい」と話す。

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