【市内公共交通見直し】バス、タクシー実証運行開始

2009-10-10 08:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 市地域公共交通会議(神山修司会長)が運営主体となり、長電バスが運行する「すざか市民バス」と、同運営主体の下、タクシー3社が運行する「すざか乗合タクシー」が1日、実証運行を始めた。
 市民バスは仙仁線、米子線、南北線(相ノ島線と明徳団地線を統合)の市内3路線に、オレンジ、青、桃、緑の4台を導入した。
 同会議は平成20年4月に設立し、20年度は外出実態調査や公共交通総合連携計画を策定した。本年度はバス路線の再編と、利用者が要求するデマンド型交通(乗合タクシー)の導入を柱に進めた。低床式バスを導入。運賃は50円刻み、200円相当ののりつぎ券発行など分かりやすく使える体系に。案内も時刻表や案内表示板など分かりやすく整備した。
 出発式で神山会長は「生活路線の確保を目指し、地域の実情にあったルートを研究してきた。市民の足として欠かせない、利用しやすいバス、乗合タクシーとした。乗り降りしやすいノンステップバスで、停留所名を児童の音声で車内放送し、昼間の買い物等に便利なコースも設定した」
 「予約制乗合タクシーは地域要望を日野・豊洲地区協議会にまとめてもらって感謝している。利用促進につながると考えている。平成23年10月の本格運行を目指し、便利になったと言われる市民の足として定着を目指したい」とあいさつした。
 三木市長は「地方課題は医療・医師確保と市民の足確保の2つあり、全国でも先進的な取り組みで、地方の実情を反映したものと思っている」と述べた。
 アドバイザーの吉田樹首都大学東京助教は取材に「バス会社に任せきりだった路線を公共交通会議で連携して決めた。市内の全路線バス再編は須坂が初めて。来年10月の改正に向け、さらによくなるよう市民や観光客の意見を聞いていきたい。従来と違うバスに乗って面白みや楽しみを感じてほしい」と話す。
 市内循環バス「ほほえみ」は30日、運行を廃止した。平成13年7月の開始から今年8月末時点(8年余)で延べ21万2,000人を運んだ。年間25,000人。だが、1人当たり100円の収入に対し、372円の経費がかかり、累積赤字(20年度まで)は7,600万円に上る。
 一方、米子線、相ノ島線、明徳団地線に市は19年10月〜20年9月合計で1,100万円余を負担している。
 ほほえみとバス路線の重複や、ほほえみ運行地域の偏りなどを是正するため、同会議で公共交通体系を見直した。市地域の再編計画は、国の地域公共交通活性化・再生総合事業に認定され、20年度と21年度で合計3,800万円余が補助された。23年度分まで国の補助は受けられるが、その後は市の負担で運営することになる。
 今後の見通しについて市は「時間はかかるが、利用促進の方向を目指している」とする。

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