【場外馬券売り場設置計画】村山町が同意、高梨町は総会で

2009-09-19 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 村山駅前ビル(須坂市高梨町)の2階を地方競馬の場外馬券売り場に活用する計画について、地元村山町は12日、区民総会を開き、設置に同意することを決めた。一方の地元高梨町は13日、事業者を招いて説明会を開いた。今後区民総会を開いて賛否を問う。
 市議会は16日の総務文教委員会(7人)で「村山駅前ビルに場外馬券発売施設を設置する構想について慎重審議を求める請願」を審査した。市は答弁で「高梨町の判断を待って、また受け入れなかった県内市町村の調査結果も踏まえて総合的に判断したい」とした。
 村山町(194世帯)の区民総会は世帯代表175人(委任状79人含む)が出席した。総会は非公開。採決は賛成者の挙手により「圧倒的多数で議決」(黒岩憲郎区長)した。終了後、黒岩区長は「村山町の活性化につながるとの区民の判断」と取材に答えた。
 区の規約では総会は3分の2(130人)以上で成立し、出席者(委任状含む)の過半数による議決が有効と定めている。
 1月の提案申し込み以来、区は「賛成も反対もせず見守る」(黒岩区長)としてきたが、8月8日に業者説明会を開き、約1カ月後、区民総会で同意の有無を決した。
 一方、高梨町(約400世帯)の説明会には43人が出席した。事業を計画するKNアドバンス(本社静岡市)の説明と質疑応答を行った。会議は非公開。終了後、小布施光勇区長は「説明を聴いただけ。10月以降に予定する区民総会には一人でも多く集まってもらい決めたい。関心を持ってほしい」と答えた。
 説明会の冒頭、区役員や一部区民に差出人不明の怪文書が9月初めに郵送されたことを出席者に知らせ、小布施区長は「個人を中傷するビラは迷惑している。また届くのではと役員も心配している」と説明した。質疑では納得のいく説明を厳しく事業者に求める姿勢もみられたという。
 また、市議会への請願は、場外馬券販売施設問題を考える会(越満代表)が提出。「市および市議会は拙速な意思表示をせず、市民の意見を広く取り入れて慎重な対応を」と求めた。紹介議員は島田和子、土谷フミエ両氏。
 総務文教委員会(関野芳秀委員長)の審査では、島田紹介議員が「県内ではいずれも地域住民や関係者から懸念され、開設されていない。市全体で考え、広く議論を求めるとの内容は至極真っ当で何の疑問もない」。土谷紹介議員は「経済活性化のためにどうあるべきか市のあり方にかかわる」と説明。両氏は「ギャンブル依存で家庭崩壊や教育に好ましくないなど懸念も大きい」とした。
 委員は審査の中で「請願の中身を具体的に知りたい」との質疑や「慎重審議を求めるや拙速な意思表示をせずの文言は心外。どんな議案でも慎重審議している」と述べた。また「市に補助金や施設買い取りをとは言っていないので見守ることも必要」「静観より市民的議論を」と議論を戦わせた。
 討論では各2人が不採択、継続を、1人が採択または継続を主張した。継続動議は可否同数のため委員長採決により否決した。
 市は、8日の一般質問(島田議員)の答弁で、視察を通じて懸念される課題と影響、その対応を調査した4施設(新潟県上越市のオープス中郷、妙高市のサテライト妙高、山梨県笛吹市のウインズ石和、甲斐市のサテライト双葉)では大きな問題がなかった、とした。
 市の調査は1.地域振興への寄与 2.交通対策 3.住環境(ごみ、警備)への影響 4.青少年育成や家庭への影響 5.設置経緯と設置時点の住民意向―の大きく分けて5項目。設置前に懸念された周辺環境への悪影響や想定される問題に対して、業者と行政、地元の協議の上、治安維持や風紀悪化防止のための交通環境整備や警備体制配備など対策を講じ大きな問題はない。また、家庭や教育へ及ぼす悪影響の事例はなかった、とした。
 地域振興への寄与は、雇用の場の確保や協力金収入等はあるが、直接的な消費拡大や商業・観光への経済効果はない。地価下落も特に出ていない。イメージダウンにつながる渋滞やごみなど周辺環境悪化の場合、業者との協議で対策を講じる体制を整えているそうだ、と答弁した。

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