【峰の原風力発電計画中止】事業者が仁礼会、市に伝える

2009-08-01 08:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 峰の原高原で風力発電事業を計画するIPPジャパン(東京・港区)の兼作明利会長と清田浩執行役員・開発部長は23日、土地所有者の仁礼会(駒津行雄理事長)を訪れ、計画の継続を断念する意向を伝えた。24日には須坂市や県など関係団体へ計画中止を伝えた。平成16年2月の新聞報道で明らかになって以来、5年半で同社の計画はなくなった。
 仁礼会では駒津理事長ら役員10人と事務局長、坂本誠治菅平峰の原グリーン開発社長が出席した。経費がかかって経済的に合わないので開発を中断したいとの申し入れに、仁礼会側が中断の意味を確かめたところ断念との言葉を得たという。
 一方、須坂市へは1.風のデータにより判断し、事業性が厳しいため風況調査を中断した 2.事業そのものも中断し、中止ととらえてもらっていい 3.地元説明会は考えていないが、要求があれば出席する―との内容を伝えた。
 駒津理事長の話 具体的調査前の段階だが開発になるだろうと期待はもっていた。風況調査の結果はほぼ良好だがやや不足があったのか。土地の使用を1年延長したが、延長前(昨年)と状況が変わらなかったと言わざるをえない。非常に残念だが、致し方ない。
 仁礼会の方針として温暖化防止に役立つ風力発電の適地であるならば他の業者が計画を進めることはやぶさかでない。ただし水源や環境への影響は調査してみないと分からないが。今は積極的に業者を探すつもりはない。
 三木市長の話 申し出を了承した。これまで計画や状況を議会や市民説明会、市報等で随時説明してきた。また、全県課題と県に対して一定規模以上の風力発電所建設は、環境影響評価条例の対象にと要望し実現し、対応してきた。風力発電は重要だが、地元が混乱しないよう要望してきた。魅力ある地域へ市全域で連携し、地域資源あふれる峰の原を全国へ発信したい。
 根子岳風力発電を考える連絡協議会の木村輝佳事務局長の話 発端は地球環境問題と地域おこしで、その見返りとして自然を犠牲にすることになる計画だった。会員からは運動を通して1.普段から裏庭のように親しむ根子岳の大切さやエネルギー問題への取り組みに気づいた 2.今後地域再生の提案(2月に市へ申し入れた環境や林業の再生など5提言)を実行する―とのメールが寄せられている。
 生物多様性と生態系サービスから恩恵を受けて生きているので地域振興は地道にいろいろ工夫していきたい。

2009-08-01 08:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



須坂新聞


 須坂新聞はタブロイド判(20P~24P)で毎週土曜発行(年間48回)長野県須高地域(須坂市・小布施町・高山村・長野市若穂地区)で購読をいただいております。また配達地域外でも郵送にてご購読いただけます。購読料は1100円(月額/税込)です。購読お申し込みはこちらから。